お酒小話「こんなに色々出来るのに君は驕るとかないね」
耳が超絶に良いソナーマン様からの言葉に、返答が一拍開いた。
この年上の自衛官だった男はなかなかどうして口が重い。こうしてたまに夜に開かれるバーで酒を口にするような時でも、軽い戯言を掛けられるようになったのは実をいうと最近だ。
破壊された石化された人々が完全に接着剤で復元され、復活液に必要不可欠なプラチナがある島に行く船を作るため、急激に増えた人口を養うための食材作りにと奔走しているうちに元来の穏やかな気質が露になってきたように感じる。とはいえ、人の内面を推し量るのは得意分野ではないし、今はそういうことを丸投げしている男は近くにいない。つい先日、鉱山までのドライバーとして駆り出されてしまったからだ。とはいえ、基本的にどの場所もどういうことになっているかを把握するために働き者のメンタリストは自主的にひらひらと動き回っている。言葉にするとまた偽悪的な言葉が返ってくることだろうが。
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