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    Oa1n08re1A0hjSp

    @Oa1n08re1A0hjSp

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    DONEパラロイ時空のミスオエ。本編の1000年後に過去の世界に旅行に行くお話。背景がウザくて読めない人向け。『二十億光年の孤独』

     そのツアーとやらは、100年先まで予約で埋まる程の人気プログラムなのだという。
    「チケットを取るのにものすごく苦労した」
     というオーエンの半ば呆れたような、それでもどこか誇らしげな様子を横目で見ながら。
     ミスラ自身はこのバケーション・パッケージツアーの良さを全く理解できなかった。

     アシストロイドに“人権”が認められて久しく1000年は軽く過ぎた現代。
     人間達の寿命もその肉体年齢に縛られなくなった、それでも。「死」そのものまでは克服に至らない今。人類は新しい病理に悩まされるようになっていた。
    「もう二度と会えないあの人にもう一度」
     素朴ながら切実な願いはありとあらゆる“サービス”として商品化されている。このパッケージもその一つだ。
    「数千年前の地球を眺める事で、その時代に居たもの達を観測する。そんなのスクリーンで過去の映像を映し出すのと何が変わらないっていうんですかね」
     気怠げにそう吐き捨てるミスラに、少しばかりオーエンはムッとする。
    「なんだよせっかくペアでとっておいたのに」
    「別に俺は頼んでませんけど」
    「このポンコツ。せっかくのカルディアシス 4632

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    DONEファウスト先生が呪屋の仕事をするお話。
    モブがいっぱい出てくるし胸糞の悪い話なのでご注意。
    私だって先生がお仕事してる姿を書いてみたかったんです。
    『真夏の夜の夢』

     あれから、どのくらいの間彷徨い続けて来たかわからない。
     ただ昔馴染みから「嵐の谷に行くといい。あそこには腕のいい呪屋がいるから」と声を掛けられたのだけを覚えている。
     男はその言葉だけを頼りに自我を保っていた。その一筋の希望がなければ、とっくの昔に彼は憎しみに我を忘れ。怪物にでも成り果てて居ただろう。
     呪屋が住むと言うその場所は。
     その名に反してひどく穏やかで、暖かかった。

    「とにかく何か口にしなさい」
     全身黒ずくめの呪屋は、まるで客が来るのがわかって居たかのようだった。
     待ち兼ねるように小屋の扉の前で自分を迎え、招かれるまま椅子に付くと。爽やかな琥珀色の飲み物をすすめられた。机の上にはオートミールのクッキーまで置いてある。
     久しく嗅いでいなかった日常の匂いに、少しばかり心が凪いでいく。
    「そういえば暫く何も口にして居ませんでした」
    「魔法使いとはいえ絶食は良くないな。粥でも拵えてやろうか?」
    「…、いえ。結構です」
     クッキーを口に含み水分で唇を潤すと、ようやっと自分が何をしにここにやって来たのか分かってきた。
     そうだった、自分は誰かを呪いたくて 3231