夢に見る昼寝この気持ちを恋と悟ってしまったら、
この気持ちを恋と悟られてしまったら、
自由に羽ばたくあの人の足かせになってしまうかもしれない。
それだけは……。
長く続いた雨が去り、久しぶりに太陽が顔を覗かせた。
母国と違ってからりとした空気を持つこの国でも、数日続いた雨のせいで家屋は過分な湿気を取り込み、まとわりつくような重さを感じさせる。吹き込まないよう窓を閉ざしていたせいで余計淀んでいたのだろう。思い切り開け放てば、まだ少し湿った草木の香りを含んだ風が部屋を駆け巡り、淀みを一掃していった。
「よし」
今しかない。干そう!
家主は昨日から、湿度が高くなると体調を崩しやすい小鳥たちの面倒を見ている。晴れたとてまだしばらく家事はできないだろう。彼のリテイナーもまだ帰っていない。聞けばまだしばらくは雨が続くというのならこの晴れ間、手持ち無沙汰のオレがすべきなのだ。
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