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    83_grmrs

    画質上げとかワンクッションとかでつかうよ
    ワンクッションをよく読んで自衛しろよ
    パス?「H]だよ
    でもR指定だ背後に気をつけな

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    『干したての暖かい毛布に包まってケイゼンを探し回るエンヴィルさん。ケイゼンを見つけた途端に毛布でぎゅうっと包むように抱きしめて、「捕まえた」とくすくす笑う。』
    byお題箱

    夢に見る昼寝この気持ちを恋と悟ってしまったら、
    この気持ちを恋と悟られてしまったら、
    自由に羽ばたくあの人の足かせになってしまうかもしれない。
    それだけは……。
     
     
     
     長く続いた雨が去り、久しぶりに太陽が顔を覗かせた。
     母国と違ってからりとした空気を持つこの国でも、数日続いた雨のせいで家屋は過分な湿気を取り込み、まとわりつくような重さを感じさせる。吹き込まないよう窓を閉ざしていたせいで余計淀んでいたのだろう。思い切り開け放てば、まだ少し湿った草木の香りを含んだ風が部屋を駆け巡り、淀みを一掃していった。
     「よし」
     今しかない。干そう!
     家主は昨日から、湿度が高くなると体調を崩しやすい小鳥たちの面倒を見ている。晴れたとてまだしばらく家事はできないだろう。彼のリテイナーもまだ帰っていない。聞けばまだしばらくは雨が続くというのならこの晴れ間、手持ち無沙汰のオレがすべきなのだ。
     「手始めに……」
     先ほどまで寝ていた客室のシーツと布団をはぎ取り、その脚で寝室へ。
     「ッ、失礼します!」
     いくらすでに許可を貰っているとは言え思わずお辞儀をしてしまう。
     敷居を跨げばまったく違う香り。
     渇いた羽毛と穀物の混じったような匂いが混ざっているのは、彼が眠るときにチョコボを含む大小さまざまな鳥たちに囲まれるからだろう。それでも鶏舎のような野性味ではなく優しく囲い込まれるような品のある香りなのは、それだけ一羽一羽に対する愛情込めた手入れのおかげだ。
     きっと、そんな鳥たちと取る睡眠は何より暖かいのかもしれない。
     うらやましい、なんて思ってはいけない。
     (シーツを取るだけ、シーツを取るだけ)
     そう言い聞かせないと邪念が手元を狂わせる。そう、いつも身に着けている香水の匂いとは別に石鹸のような香りがしている気がするからと鼻先に持ってくるような────ことをせず、シーツと毛布をひとまとめに抱えこむ。
     「こっちはどうしようかな……」
     枕元に飾られたぬいぐるみ。旅先で買ったり貰い物だったりといろいろあるが、このぬいぐるみたちも彼のチョコボたちと共にもふもふされている。この子たちも洗うべきか……。

     大きめの桶をいくつか使って一気に洗う。たっぷり水を含んだシーツは大分重たくなってしまうが、水を絞り切って洗濯紐に皺無く干せばとても清々しい気持ちになるものだ。それがきれいに並んでいるとなお心地良い。生地を裂かないよう突き刺さった羽毛を一本一本きっちり抜いてから洗ったのだからなおさら達成感も一入だ。
     薄目で洗って薄目で干した下着類はなるべく視界にいれずに見渡して、ついと空を見上げる。少し遠くなった太陽はまだこれから昇っていくだろう。久々の晴れの日。やれることはまだまだありそうだ。
     「とりあえず朝食の差し入れしなきゃなあ。ちゃんと寝たんかなあの人……」
     
     
     
     うつら、うつらと舟をこぐ。
     ソファのひじ掛けにもたれながら片腕を枕に横たわる。背もたれに寄りすぎてもひじ掛けにもたれすぎてもいけない。貫く箇所の多い頭をあまり動かさずに眠る姿勢は慣れたものだ。
     洗濯終わりにサンドイッチを差し入れて、湿気に負けた野菜を刻んで煮込んで朝食にして、要望をメモに取りつつ買い出しに走って、小鳥の様子を伺いながら昼食を差し入れて、肉まん食べながら家中掃除して、もう少ししたら洗濯物を取り込まないといけない。が、少し眠い。
     数日ぶりの日差しに張り切り過ぎたのかもしれない。
     たまたま話し込んだ店主から、この秋雨はまだ続き、早ければ明後日からまた降りだすという。故郷に似た天気の周期が、余計に焦燥感とやる気を搔き立てたといえなくもないが、少しやりすぎたとは思っている。
     (はたきと雑巾掛けだけだし部屋のものは動かしてないし、大丈夫だと思うけど…)
     入れさせてもらったことのあるとこしか掃除してないがやはり換気だけで済ませばよかったかな、なんてぐるぐるとした反省も、午後の緩やかな陽光に溶け込んでいく。
     風に揺れるカーテンの擦れる音、時計が秒針を刻む音、鳥の囀る声、枕にした腕から伝わる自分の脈動。どれもが心地よくて、瞼を下げていく。
     (もう少ししたら洗濯物取り込んで、夕食の準備をしないと……)
     あの人の方が料理の腕は良いけれど、それでもおいしいと言って食べてくれるから気兼ねなく料理を差し出せる。
     あの人のために何かできることがあるだけで嬉しいから、だから
     「やらなきゃ……」

     「何を?」

     飛び起きようとして、真っ白なものに体当たりされてソファに沈む。
     ぶわっと鼻に入り込むのは洗い立ての洗剤と日向の香り、それと、いつもの香水の。
     「エ、エンヴィルさん?!?!」
     「つーかまーえたっ」
     頭まで被っていた毛布から、ひょこりと顔を出す。
     胸元からにっこりとこちらに微笑みかけながら、それでも腰に回した手は起き上がらせないよう強く抱きしめて。
     自分より低い体温の腕からさらに熱を奪っているかのように、触れた個所からじわりじわりと熱くなっていく。
     「な、あっ、小鳥はっ」
     「もう大丈夫ですよ~。ほかの子たちも、やきとりと一緒に日に当たってます」
     「そ、れなら良かったッス…。あ、ソレ」
     「洗ってくれたんですねぇ、ありがとうございます。他のも取り込んで、今粗熱取り中です」
     シャツ越しに頬が触れる。
     逃げ場がなくて、過剰に逃げてもバレる気がして。
     「助かりました…。取り込まなきゃなのに眠くなっちゃってて…ハハ…」
     「こっちこそ。枕元の子たちも陰干ししてくれたでしょう?」
     「洗うよりいいかと…」
     「ふふ、今日はぐっすり眠れそうです」
     「はは、なによりッス」
     頼むから心臓は止まってくれ。聞こえそうだ。
     「じゃあ夕飯の支度を……」
     「それもだいじょーぶ」
     「でも」
     「じゃあ夕食は一緒に作りましょう」
     「それは……」
     「良い案でしょう? だから、もう少し寝てましょ」
     「……」
     鼓動がバレそうで、いやもうすでにバレていて。
     でも何も気にせず頬を擦り付けて。
     腰に回された腕も、一向に離される気配はなくて。
     何より、日をめいっぱい含んだ毛布が暖かくて心地よくて……。
     「……それなら」
     背もたれとの隙間を埋めて、空きを作る。
     「ちょっと重いッス」
     軽口のように笑って言えば、きっとバレないし、気付かないふりを続けてくれる。
     「ふふ、それは失敬」
     乗っかっていた体を少しずらして、ソファに預ける。
     それでも落ちないようにぴったりと。
     「やきとりちゃんには敵わないんで文句なしッスよ~?」
     「もふもふではないですけど、これはこれですべすべで手触りいいですね」
     「なんすかそれ恥ずいッス!」

     うらやましいなんて思っても良かったのかな。
     ともかく今はこの幸せを何度でも夢に見れるようにと願い、瞼を閉じた。
     
     
     
    寝ぼけたエンヴィルさんのもふもふを探す手つきに全然寝付けず、別の意味で記憶に焼き付いたことは、たぶんいつになっても言えないだろう。





    ────────────
    ・はりきりすぎると無茶をしやすいケイゼンをやんわり休ませるエンヴィルさん
    ・ぎゅ、をやりたかっただけなのにいつものくせでもふもふしようとして触りまくるあれのオリジンみたいな着地点になった
    ・嫌われないラインをおそるおそる確かめてはおっかなびっくりになってるケイゼンと実はオールオッケーなエンヴィルさん
    ・これで片恋だと言い張るケイゼン、んなわけない距離感



    ──捏造住宅
    ・鳥ちゃん用の部屋ありそう
    ・ドードーlv.1みたいなめちゃよわ小鳥とかいそう
    ・物干しとかありそうだけどシーツや毛布を干すなら木々に選択紐結って干した方がいいと思うけど庭によさげの木ってあるんかな なけりゃ一本と軒先に伝わせそう
    ・錬金術とか工作する用の作業部屋とかあるのかな そういう部屋は湿度管理もしてそうだから触らなさそう
    ・自室みたいなとこも床拭きと換気だけでなるべく部屋のもの見なさそうだしエンヴィルさんも気付いてそう 見られて困るものはないけど興味本位でそういうのを見ない子、みたいな

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