ミラーリング #3(カルデア編) 強くなりたい、と彼女は泣いた。
誰よりも強く。男たちにも負けないように強く。
声を震わせて泣く彼女を膝に抱き、その髪をなでながら、私は誓った。
──おまえに私のすべてを授けよう。おまえをアイルランド最強の戦士にしてやる、と。
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「おまえが相手をしろ、バーサーカーのセタンタよ」
スカサハの言葉に、オルタは面倒くさそうに振り向いた。
「……なんで俺が」
「年齢的に、おまえが一番槍のセタンタと近い。加えて、おまえのクラスはバーサーカー。他のクラスを圧倒する力を持つおまえに、槍のセタンタがどれほど挑めるか見てみたい」
ランサーは、あごを引いてオルタを睨みつけた。師匠に「他を圧倒する力を持つ」と言わしめたこの男が気に入らなかった。
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