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    たまごやき@推し活

    アンぐだ♀と童話作家アンデルセンのこと考える推し活アカウント

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    カルデアアンぐだ♀

    きっとカルデアでは一時的に染髪料とカラコンが流行るし
    二人はこれこれこんな感じになるけど付き合ってない

    ##FGO
    ##アンぐだ
    ##カルデア時空

    染まらぬ橙色 最近、カルデアでは染髪料とカラーコンタクトが流行っている。マスターの姿を変えさせて楽しむのが主な目的だ。ここのところは毎日のように髪や目の色が違うマスターが小さなサーヴァントに囲われている。マスターは幼なげなサーヴァント連中に「おねえちゃん」と呼ばれては喜んでいた。
     と、ここまでは平和な話だった。残念ながらここから事態は悪化の一途を辿る。

    「えーと、じゃあ、お兄ちゃん……?」
     これだ。これが問題なのだ!
     日替わりでサーヴァントを兄と呼ぶなど、付き合いがいいにも程がある。大体その顔はなんだ、恥ずかしいなら呼ぶな! ……いや、思考が逸れたがともかく、兄と名乗り馴れ馴れしくするサーヴァントを好きにさせているのだ。
     毎日鮮やかな色を見せる彼女の姿は、俺には退屈だった。

    「毎日飽きもせずによくやるなお前は」
     そんな流行が一旦中だるみしてきたかと思う頃、淡い色の髪をしたマスターに声をかけた。この髪色は、マシュに似せているのだろう。どこぞの男に似せた色よりマシだ。
    「普段はそんなにオシャレするチャンスがないから、こうやって髪の色を変えたりするのは楽しいんだよ」
     そりゃあジャングルだの砂漠だのを行き来するのだ。戦闘もある。その立場で髪の色だ、目の色だと流行を追う時間はないだろうな。

     ……意識したことはなかったが、考えてみれば目の前にいるのは年頃の娘なのだったか。レイシフト中のマスターを見てそんな要素は微塵もないが、なるほど。だとすると、途端に兄になろうとするサーヴァントと彼女のやりとりが非合法なものに変わる。

    「妙な兄妹プレイに巻き込まれたくないのなら、色を変えるのもほどほどにしておけ。真っ当に妹がほしい連中だと思うな」
     幼い子どもが弟妹を欲しがるのとは話が違う。女として扱われた上に妹役を買って出るのは少々リスクがあるだろう。まわりは現代の知識も吸収しているサーヴァントばかりだ。

    「大げさだよ! みんな面白がってるだけだから」
    「それならお前も俺の『妹』になってみるか?」
     実際に妹がほしいわけではない。けれど、いつもとは真逆の青色の髪や瞳になった姿はどうかと、少し好奇心が顔をのぞかせた。その色も悪くない。それにあの、恥じらいながら「お兄ちゃん」、などと呼ぶ彼女の姿。まぁ、ともかくほんの少しの戯れだ。

    「アンデルセンの妹にはならないよ」
     いやにはっきりした口調だった。まさか、それなりに交流を深めた相手にばっさりと提案を切り捨てられるとは。思ったより全身への衝撃が強い。

    「わたしには、お兄ちゃんとは思えないから」
     台詞だけなら俺の背格好を引き合いに出していると考えられた。だが、彼女がこんな表情をするものだから。歳下扱いはされていないらしい。

    「アンデルセン、わたしのこと妹みたいに思ってるの?」
     あからさまに不満を表現するのが手に取るように分かる。
    「何を馬鹿なことを言っている。お前を妹にしたいわけがないだろうが!」
     照れたように彼女が笑うものだから、居心地が悪い。

    「あのね、わたしは妹よりもね……」
     耳元で囁く声色が脳に響く。こんなのが妹になどなり得ないだろう。
     だが耳に残る麻薬のような声を聴きながらこうも思う。

     ――目の前の女を青に染め損ねたことだけは、少しだけ惜しいことをしたものだ。
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