まだ夢の中と思わせて「マスター、もう休むところか?」
わたしの部屋にノックもなく入ってきたのは青い髪、黒縁の眼鏡、ストライプのシャツ、白衣それにこの声。…この特徴に当てはまるひとは、わたしの中ではただ一人なのだけれど、
「アンデルセン、なの…?」
目の前にいる彼は私よりも随分と背が高い。 一体どういうことなんだろう。
「……何を言っている? あぁ、寝ぼけているのか」
「その姿、一体どうしたの?」
「姿、だと? いつも通り何ら変わりはない、どこにでもいるような男だろう」
……決してどこにでもいるようにはとても思えない。
モデルみたいなそのひとは、わたしの前で不思議そうに首を傾げる。こんな仕草をわたしよりも小さな先生がしているのを見たことがあったっけ。その姿が目の前のひとと重なっていく。
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