小さな賭け事(熱いのは君のせい) 次に曲がる道で、最初に会うのが男だったら俺の勝ち、女だったらギノの勝ち。勝ったらなんでも言うことを聞くこと。そんなくだらない約束事をして、俺たちは出島の街を歩いた。街は混雑していた。祭りが近いのもあって、買い物に出る家族が多いのだ。俺たちははぐれそうになりながらも手を繋がず歩く。俺が勝ったらまずは手を繋いでもらおうか、そう思った時、俺たちは角を曲がった。そしてまず目に入って来たのは、これこれはかわいらしく頭にリボンをつけた幼い少女だった。つまり、俺は賭けに負けたのである。
「あー、負けた。なんでも言ってくれ、ギノ」
「何にしようか。とりあえず今日の夕飯の買い出しを済ませよう。それから考えることにするよ」
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