FGOのホラーですらない何時もの先程アキレウスが入って行った部屋の襖を開けると其処は立派な和室へと様変わりしている。
確かに何も無かった筈の場所なのに此の変化は一体如何した事なのだろうと立香は訝しんでいた。
見渡す限り出入口と呼び得る場所は襖一つで他にはと悩んでいると机の上に紙切れが置いて在る。
周りを見回し恐る恐る拾い上げると其処にはアキレウスの筆跡ではっきりと斯う書かれていた。
『おうマスター、信じられねぇかもしれねぇが俺は此の部屋になっちまったらしい。襖を閉じた途端だっけか、何か霊基がぶっ飛んだ。良く分からねぇけど幸せな気分だぜ、本当に』
一体誰が書いたのかは皆目見当も付かないにしろ誰かが此の部屋を訪れていたのかもしれない。
取り敢えず何故か持っていた紙切れを散り散りに破き終えるとゴミ箱へ捨て一先ず座り込んだ。
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