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    こんだけの書くのに難産だからもう日ごろの鍛錬怠けてる証拠だよね

    FGOのホラーですらない何時もの先程アキレウスが入って行った部屋の襖を開けると其処は立派な和室へと様変わりしている。
    確かに何も無かった筈の場所なのに此の変化は一体如何した事なのだろうと立香は訝しんでいた。
    見渡す限り出入口と呼び得る場所は襖一つで他にはと悩んでいると机の上に紙切れが置いて在る。
    周りを見回し恐る恐る拾い上げると其処にはアキレウスの筆跡ではっきりと斯う書かれていた。
    『おうマスター、信じられねぇかもしれねぇが俺は此の部屋になっちまったらしい。襖を閉じた途端だっけか、何か霊基がぶっ飛んだ。良く分からねぇけど幸せな気分だぜ、本当に』
    一体誰が書いたのかは皆目見当も付かないにしろ誰かが此の部屋を訪れていたのかもしれない。
    取り敢えず何故か持っていた紙切れを散り散りに破き終えるとゴミ箱へ捨て一先ず座り込んだ。
    和室の割には希臘の英雄めいた意匠が施されているものの不思議と調和しているのは腕だろう。
    「何なんだろう……此の家……何か、悪い気はしないんだけどなぁ……? でも、多分此処に特異点の何かが有るかもしれないんだろうなぁ……うぅん……?」
    斯うにも落ち着けるのは危機感が無いと叱り付けられそうなのだが実際守られている気分になる。
    まるで自分の家の様にも思えて来るのは我乍ら気の緩みが酷いと自覚しており重い腰を引き上げた。
    其の流れで背伸びをすると上の方には誰かの写真が絢爛な額縁に彩られた状態で並び飾られている。
    『誰だろう……此の家の人かな?』
    何処と無く超然な雰囲気を漂わせている写真の青年に見惚れそうな立香だが今は家の調査が先だ。
    頼れる英霊達が手分けして探してくれているとは言え一体何が起こるのかも分かった物では無い。
    数日前に閲覧したジャパニーズホラー映画のシチュエーションを頭から消し去ろうと意識はしたが。
    「あ、然う言えば襖閉めちゃったな……蘭陵王に怒られ……あれ?」
    直ぐにでも駆け付けられるように全ての仕切りは開けて置く作戦だったのにうっかり閉めて仕舞う。
    此れでは益々怒られて仕舞うなと頭を掻き乍ら立香は取り敢えず襖だけは開けて置こうと決めた。
    小走りで近寄り襖を開けると足元には機械では無い誰かの手書きに寄る字の書かれた紙切れがある。
    『申し訳御座いませんマスター。如何やら全ての扉を解放したのは間違っていたようです。マスターが襖を閉めた瞬間我々は一人残らず此の家に成りました。ですが御安心を、我々は幸せです』
    壁に掛けられている中華風の仮面は絢爛に感じられ此れでは顔を見せるのも難しいのではないのか。
    手に持っていた変な紙を軽くぐちゃぐちゃ丸めると丁度遠くに見えたゴミ箱へと放り投げて見る。
    見事一発で放り込まれ少しばかり嬉しい気分になった立香は改めて此の家に付いて振り返った。
    「如何見ても普通の家だよなぁ……此れ以上探しても何にも無さそうだし、如何しようか……あ」
    然う言えば二階の隅っこに作られていたあの奇妙な札の張られた部屋には近寄っていない筈だった。
    此処迄来たのなら其処も調べ上げておく方が義務だろうと立香は間取りを思い出しつつ歩み出す。
    何か剣の玩具が無造作に置かれていたり所謂円卓の騎士の絵画が置かれていたりと取っ散らかりだ。
    『あと……何だろ、あの部屋に言ったら幸せになれる気がするんだよね。何でだろ?』
    証拠は何も無いのに自然と確信を得られているのは奇妙かもしれないが違和感は覚えなかったのだ。
    成らば間違っている話でも無いのは確かだろうと立香は特段気にも留めずに階段を一つ一つ上る。
    書室とも漫画の置き場とも思わしき場所へ首を突っ込むと矢鱈と織田信長の書籍が軒を連ねていた。
    一冊手に取ってみようかと惹かれるものの誘惑を断ち切った立香は其の儘奥へ奥へと進んで行く。
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    recommended works

    ちょびを

    DONE祓本パロ。悟が収録中に日ごろの傑への不満を訴える話。前後の話2本ほどまとめて支部にのっけます。
    ちどりさんの某番組ネタとか諸々参考にしてます
    来週もまた見てくださいね! カチンコが鳴り、スタジオに心地よい緊張が広がる。
     女性アナウンサーが透きとおった声で口火を切った。
    「さぁて始まりました、『これだけ言わせて!』今週はゲストに俳優の七海健人さん、灰原雄さん、そして女優の家入硝子さんをお迎えしてお送りします」
     セット外にいるアシスタントがタオルを振り、観覧席から拍手と黄色い悲鳴があがった。順調な滑り出しにアナウンサーは小さくうなずいた。横一列に並んだゲスト席を向くとわざとらしく目を見開き、上ずった声を出す。
    「ってあれ、五条さん? なぜゲスト席に座っているんです?」
    「どーも」
     軽快に手を振る五条悟と私、夏油傑のお笑いコンビ祓ったれ本舗。
     2人がメインMCを務める冠番組『これだけ言わせて!』は、ゲストが持ち込んだ提言を面白おかしくイジり、番組内で叶える構成になっている。モテないと悩んでいる先輩芸人がいれば大改造に取り組み、いっぱい食べられるようになりたい! と言うゲストがいれば、私と悟も1週間のフードファイトに付き合ってきた。
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