ある「元」光の戦士の6.01その1雨音で目が覚める。
窓から見えるクリスタルタワーはこんな朝でも壮観だ。
あくびをかみ殺しながら、布団から這い出る。
いや、やっぱり二度寝しようか……。
……いつも後悔するんだよな……。
ただ、もう少しだけ。
そう思って布団の中に戻ろうとした瞬間、部屋全体が眩く照らされた。直後、轟く雷鳴に、少しだけ眉毛が吊り上がる。
ラムウの雷撃の方がよほど凄まじかった。
しかし二度寝しようかという迷いを吹き飛ばすには十分だった。
ーー仕方ない。
くぁ、と今度は思いっきりあくびをして、「元」光の戦士ーーフィーネはようやくベッドから抜け出したのだった。
顔を洗い、銀の髪を後ろでひとつにまとめる。
冒険していたころは毎朝編み込んで凝った髪型にしていたのだか、今ではそんな気も起きず。
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