オリオンをなぞって1か月間のリハビリを経て豊前は日常生活に戻ってきた。リハビリでは医療班も驚くほどの回復ぶりを見せて驚かせていたが、裏には豊前の血の滲むような努力があったことを僕は知っている。ほんとにすごいよ、君は。
僕はそれがもう嬉しくて嬉しくて、審神者であるナベリウス・カルエゴ卿に1週間の有給を申請した。状況を把握しているだけあって、すぐに許可をもらえた。それはもちろん、豊前との時間を過ごすため。半年間は短いようで長かった。
「泣くなって」
「泣いて、ない…」
豊前が笑っている。こうして目の前にいるのが奇跡のようだよ。
「だけどね。ちょっと手加減してほしい、のだ、けど…!?」
「なんで?」
「もう、ダメって言ってるじゃないかっ、っあ!」
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