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    Hi4ko3

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    Hi4ko3

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    AIのべりすとくんに手伝ってもらって書いた伊坂探偵事務所の短編小説です。

    ##TRPG

    伊坂探偵事務所のオカルト事件簿・魔法使い講習「今日も暇ですねぇ、相変わらずブログの更新しかする事がありません」
    ここは伊坂探偵事務所。ペット探しからオカルト関係まで、何でも請け負う探偵事務所だ。今日も局長の伊坂一晃(いさかかずあき)は、片手間に始めたブログ(ただし収入のメインはブログの広告である)の更新に勤しんでいた。
    「もはやそれが本業みたいなもんだろうが。探偵やめてブロガーやったらどうだ。ホレ茶」
    そう言って湯のみを持ってきたのは雇われ暴力団員の藤重岳(ふじしげたかし)。何の因果か伊坂にこき使われる、悲しきアルバイトだ。
    「そんな事言うと天国の岩永さんが泣きますよ?せっかく事務所貰い受けたのに使わないなんて勿体ないじゃないですか」
    「勝手に俺の恩人を殺すな」
    「まぁそれは冗談として、今日も依頼ゼロですよね?」
    「ああ、いつも通り暇だよ所長サン」
    「暇なのはいいことですよ。仕事があるってだけで恵まれてるんですから」
    「へいへい、元大手出版社員さんの言葉は含蓄がありますね〜」
    「藤クンは年々チクチク言葉が上手くなりますね、何処で教わったんですか?」
    「丸メガネの探偵さんから」
    「あっははは!これは1本取られた。ついでに新聞も取ってきてくれませんか?」
    「へーへー……」
    藤重は立ち上がり、部屋の隅にあるポストを開けて中の郵便物を取り出した。
    するとその中の一枚に目が留まる。
    「ん?このチラシ……」
    そのチラシには『あなたも魔法使いになれる!』という文字が大きく書かれていた。
    「魔法……使い……?」
    「ほほう。ほほほ〜う」
    「ウワッ!急に背後に立つなよ怖いから!」
    「いやいやすみません。でも魔法。気になりますねぇ」
    「〜?胡散臭いにも程があるだろ」
    興味深げにチラシをじっくり眺める伊坂に対し、いかにも疑っているという態度の藤重。
    伊坂はぽんと手を叩くと、満面の笑みで
    「よし、藤クン。魔法使いになりに行きましょう!!」
    と言い放った。
    「は!?ふざけんなお前またその場の思いつきで!」「だって面白そうじゃないですか!行きましょうよ藤クン!ねっ?」
    目を輝かせながら詰め寄る伊坂を見て、藤重は大きなため息をつく。
    「……お前さぁ、自分の歳考えろよ」
    「えぇ?私まだ25ですよ?」
    「世間的には立派なアラサーだわボケ。つーかなんでこんなもんに興味持つんだよ」
    「そんな事言ったら君にもブーメラン突き刺さっちゃいますよ。とにかく、チラシの住所に行ってみましょう!善はレッツゴーです!」
    かくして、伊坂探偵事務所の面々は怪しげな「魔法使い講習」へ向かう事となったのだった。

    「ここか……」
    そこは郊外に建てられた大きな屋敷の前であった。周りには木々が立ち並び、まるで森の中にポツンとある洋館といった風情である。
    「なんか出そうだな……」
    「ふむ……。確かに怪しい雰囲気ですね」
    二人はしばらく黙り込んだ後、意を決してインターホンを押した。
    『はい』
    中からは落ち着いた女性の声が聞こえてきた。
    「あのぉ、こちらで魔法使いになる講習会というものを行っていると聞いたのですが」
    「(バッ……お前!)」
    止める藤重を無視して伊坂は堂々と尋ねる。
    『あら、わざわざお越し頂いてありがとうございます。少々お待ち下さいませ』
    それから程なくして玄関扉が開き、中から女性が顔を出した。
    女性は長い黒髪をポニーテールにし、眼鏡をかけた知的な雰囲気の女性だった。
    彼女は微笑を浮かべると、二人に向かって丁寧に挨拶をした。
    「ようこそおいでくださいました。私は当協会のインストラクターをしております、大場美琴(おおばみこと)と申します。本日はよろしくお願い致します」
    「あ、はい。よろしくお願いしま……」
    そこまで言いかけたところで伊坂はハッとした表情になった。
    「ん?どうした伊坂?」
    「あぁいえ何でもありませんよ?では早速中に案内して貰ってもよろしいでしょうか」
    「はい、どうぞご遠慮なく」
    促されるまま屋敷の中へと入る。
    廊下を通り抜け応接室のような部屋に通されると、そこには机を挟んで向かい合うようにソファが二つ置かれていた。
    そしてその片方にはすでに一人の男が座っていた。男は細身で背が高く、髪はボサボサで無精髭を生やしている。目はどこか虚ろで、何だか不健康そうな男であった。
    「彼は当協会の会員で、今回講師を務めさせていただきます」
    「どうも……田中といいます」
    「あぁ、これはどうも初めまして。伊坂一晃と申します」
    伊坂は名刺を渡す。
    「俺は藤重岳だ」
    続いて藤重も名乗りを上げる。
    すると男性は突然立ち上がり、伊坂の名刺を手に取った。そのまま裏表をじっくり眺めた後、再びテーブルの上に置き直した。
    「……なぁアンタ、探偵ってのは何だ?」
    「ふむ……難しい問いですね」
    唐突に尋ねられた質問に、伊坂は顎に手を当てて考える素振りを見せる。
    「依頼主の悩みを聞いて解決に導くのが探偵の仕事だと思っておりますが、それとは別に……そうですね、『困っている人を助ける人』というのが私の目指すところかもしれません」
    「そうか……そうかそうか」
    男性はニヤリと笑う。
    「アンタが探偵を名乗る資格があるかどうか、見極めさせてもらうぜ」
    「それは構いませんが……」
    伊坂はそこで言葉を切り、藤重に耳打ちする。
    「藤クン、この人大丈夫なんですか?」
    「知らねーしそもそも魔法使い講習の講師って時点で既に怪しさ満点だわ」
    藤重も小声で返す。
    「まぁいい。それで、そっちのアンタも魔法使いになりたいということでいいな?」
    「あー、まぁ、一応」
    「煮え切らないな。中途半端な心持ちだと怪我するぞ」
    「ご忠告どーも。それより魔法の講師って何なんだ?」
    藤重はイラついた様子で男性に問いかける。
    「ふん、俺の名は田中緋夏(たなかひなつ)。見ての通り魔法使いさ」
    そう言うと、田中と名乗る男性は右手を前に突き出す。
    次の瞬間、掌の先に小さな炎が現れた。
    「うおっ!?」
    「おぉっ!」
    二人は思わず声を上げた。
    「なんだよコレ、マジモンの魔法じゃねーか!」
    「ほぅ!素晴らしいですねぇ!」
    伊坂は目を輝かせながら身を乗り出す。
    「これが……魔法使いの力」
    一方の藤重は、呆気に取られた表情で呟いた。
    「なぁオッサン、これ一体どういう仕組みになってんだ?手品じゃねーのか?」
    「ふむ、君はなかなか良い着眼点をしている。しかし残念ながらトリックではない。私は正真正銘、本物の魔法使いだ」
    田中は得意げに答える。
    「へぇ~。ちなみにどんな事ができるんですか?」
    「おっと、それ以上は講習を受けてからだ」
    ずいと身を乗り出した伊坂を諌め、田中は講師テーブルの前に着いた。
    「さて、まず最初に君達にやってもらいたい事は、我々が使う『呪文』を覚える事だ」
    「『呪文』……ですか」
    「そうだ。そしてこれから教えるのが我々の扱う魔法の全て。つまり、魔法使いになる為に必要な全ての知識だ」
    「はぁ……」
    「では早速始めるとしよう。準備はいいか?」
    「はい!よろしくお願いします!」
    「あぁ、頼む」
    2人は姿勢を整えた。
    田中は大きく息を吸い込むと、高々と宣言するように言った。
    「大いなるフォーマルハウト、生ける炎の神よ!我が魂を糧としてそのお力を貸し賜う!」
    その途端、部屋の空気が変わった。
    先程までとは打って変わって室内は静まり返り、まるで外界から隔絶されたような感覚に陥る。
    やがて田中の身体がぼんやりとした光に包まれたかと思うと、何も無いテーブルがゴウゴウと音を立てて燃えだしたではないか。「うわわわ!!火事火事!!」
    「これは……凄いですね……!」
    二人の反応を見て田中は満足気な笑みを浮かべると、今度は両手を前方に突き出して叫んだ。
    「来たれ!火の眷属達よ!」
    すると彼の前にいくつもの火球が現れ、それらが勢いよく飛び出していった。
    それらは空中で形を変え、様々な動物の姿へと変わる。
    「どうだ、これで分かっただろう。これが魔法だ」
    「な、なるほど……」
    藤重は額に汗を流しながら、目の前で起こった出来事に圧倒されていた。
    一方伊坂は、拍手をたたえながら田中に近づく。
    「いやぁ〜本当に凄いですねぇ!!特に呪文がいい!」
    「ほう……分かるかね?」
    田中も満更でもないといった顔で応じる。
    「ええ!実は僕もオカルトには詳しくてですね。特に『フォーマルハウト』と『火の神』という所が!」
    それを聞いた田中と大場の目付きが変わる。
    「貴様……ただの探偵では無いようだな?」
    「いやまぁ、単なる趣味ですよ」
    「誤魔化すな。お前はその言葉の意味を『知っている』」
    燃えていたテーブルは焦げて炭となり、不思議と他の家具や床に燃え広がることは無かった。藤重はそれを怪しいとは思っていない様だが、伊坂は違った。
    「なぁ伊坂、そのナントカハウトと火の精ってのは何なんだ?」
    藤重は話に着いていけない事に耐えきれず伊坂を問い詰める。
    「生ける火の神、クトゥグア」
    その言葉が決定打になった。
    「貴様……やはり!」
    「フォーマルハウトとは、クトゥグアの住むとされる惑星です。クトゥグアの招来の呪文に組み込まれている、有名な言葉ですね」
    伊坂は説明を続ける。
    「恐らくこの講習を重ねて信者を得、最終的に信者達の精気を使いクトゥグアの招来を行うつもりである……違いますか?」
    「……」
    「答えて下さい、田中さん」
    「先程私の言った言葉を覚えているか?」
    「……探偵の資格を見極める、でしたっけ」
    田中は目を爛々と輝かせて伊坂に詰め寄った。
    「そうだ。お前は「人を救うもの」と答えたな?私達もだ。私たちは偉大なるクトゥグアに降臨頂き、穢れた地球を炎により浄化するのだ」
    神からの啓示を伝えるように、田中は腕を広げ高らかに宣言する。
    「なるほど。それがあなた達の教義という訳ですか」
    「ふっざけんなよ!」
    冷静に話をしていた伊坂と裏腹に、藤重は激高して椅子を蹴り上げる。ガコン、と場違いなほど大きな音が屋敷に響いた。
    「何が浄化だ!偉そうに言っといて、結局はただの放火カルト集団じゃねぇか!!」
    「お前には分からんだろうな。大場、彼を拘束しろ」
    「はい」
    大人しく控えていた大場が、女性とは思えぬ力で藤重の腕を押さえつける。「ぐぁ!いって……!!こいつ本当にただの女か?!」
    「下手に動くと脱臼してしまうぞ。さて、外野は黙らせた。……伊坂一晃。君には人を救いたいという願いがある。ならば世界を、この地球を救いたいとは思わないか」
    田中は微笑んで右手を差し出す。
    その笑顔は穏やかで、自信に満ちていて、疑う余地もないくらいに安らかだった。
    伊坂は、無言で左手を伸ばす。
    「伊坂!!」
    藤重が叫ぶ。
    2人の指先が触れ合う。
    バヂリ。
    「……バチ?」
    伊坂の手の方からした異音に、藤重は首を傾げる。
    彼の目には、握手の寸前でバチリと音がし、田中が腕を振りほどいたように見えた。
    「……伊坂、一晃!!貴様……ッ!!」
    田中は右腕を庇いながら伊坂を睨みつける。先程の穏やかな笑みは失せ、完全に敵意を向けていた。
    「やぁ、頑丈ですね。ま、使ってわかるけど案外気絶しないもんなんですよね、コレ」
    伊坂はいつの間にか手に持っていたスタンガンをくるくると弄んでいる。異音の正体はこれだったのだ。
    「貴様!人間を救いたくはないのか!」
    「そりゃ助けられるものなら助けたいですよ。でもね、僕は『正義の味方』じゃないんです。自分の身が一番可愛いんですよ」
    「それは詭弁だ!!」
    「詭弁で結構。それに、僕が救わなくたって誰かがきっと貴方達を止めてくれるはずです。ほら、こんな風に」
    突然、部屋中に銃声が響き渡る。
    それは1発だけでなく、断続的に鳴り続けた。
    「警察だ!手を上げろ!」
    扉の向こうに立っていたのは拳銃を構えた警官達。
    「くそっ、何故ここが分かった!?」
    「お宅の信者の皆さんが通報してくれたみたいですよ。いやぁ、流石に今回は焦りました。まさかこんな大それた目的の宗教団体だったとは、恐れ入りましたよ」
    「……貴様、初めから分かっていたな?」
    「いいえ。僕も予想外でしたよ。ただ、もしこうなった時の為に準備だけはしておきたかったもので」
    伊坂はニヤリと笑った。
    「この男を逮捕しろ!教祖様をお守りするんだ!」
    「させるかよっ!」
    狼狽する大場の隙を突いて藤重が拘束から抜け出し、彼女のみぞおちに思い切りパンチを食らわせた。
    「かハッ……」と息を漏らして大場は気絶する。
    「あーあー、女性相手に大人気ないですよ、藤クン」
    「うるせぇ、先に仕掛けてきたのはあっちだ」
    「それもそうですね。……さて、これで邪魔者は居なくなりました。後は田中さん、あなただけですよ」
    「……ここまで来て、捕まる訳にはいかない」
    田中は懐に手を入れる。
    「おっと、させません」
    それを察知した伊坂は素早く彼の背後に回り込み、首筋にスタンガンを押し当てる。
    バヂリとまたも異音がして、田中は意識を失った。
    「……お前、意外と容赦ねぇな」
    「こういう時は躊躇したら負けです。藤クンも覚えておくといいですよ」
    「へーへー、肝に銘じておきますよ」
    「さて!それでは面倒な事になる前に帰りますか!」
    「だな。こいつらどうする?」
    「縛って置いときましょう。ほっとけば警察の人達が見つけてくれますよ」
    2人は気絶している田中と大場を縛り上げ、裏口から屋敷を出た。そしてそのまま車に乗り込み、藤重は盛大にため息をつく。
    「……疲れた」
    「そうですね。今日はもうゆっくり休みたい気分ですよ。そうだ、帰って焼肉でも食べましょうか!勿論炭火で」
    「……お前、とことん神経が太いよなぁ……」
    後日、「拝火教団の幹部と司祭が警察に連行」という見出しが新聞に載るのだが、その時の2人は知る由もないことだった。
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