バームクーヘンエンドが好きです。
誰より愛する貴方が、貴方にとって誰より愛する人と結ばれて幸せになる事を泣きながら祈る男の子が大好きです。
奥さん優しそうな人だったな…アイツはこれから、あの人と家庭を作っていくんだな…なんて考えながら、自分は寒い部屋で寂しくパサついたバームクーヘンを食らう。よい。
一方で、「愛する人に先立たれたショックでやつれた男の子が、なんとか生きる為に肉を焼いたは良いものの、杜撰な生活を続けてたせいで調味料の類がまるで無く、仕方ないから彼の葬式で貰った浄めの塩で味付けしてお腹を壊し、トイレの中で彼のことを思いながら情けなく泣いてる」話が好き。
便宜上『アイツとルームシェアしてただけ』の僕は最後まで葬儀で初めて会ったアイツの両親に自分達の関係を打ち明けることはできず、
いち友人としてアイツを見送り、
狭いけれど日当たりだけは良い住処で、
1人で払い続けるにはつらい家賃を、
ふと思い浮かぶアイツの顔が鮮明な内ここを離れたくないから払い続け、
とはいえ毎朝目が冷めてもアイツが淹れたコーヒーの匂いが漂うことはなく、
当然行ってきますもおかえりも何もかもない。
そういうのが積もり積もって日常生活が疎かになる僕。家賃の為に仕事は頑張るけれど、その他のことはぜーんぶどーでも良くなっちゃって。
食事も疎かになっちゃって。身なりとかも気にしなくなっちゃって。いつ死んだっていいんだって僕なんか。
アイツとお揃いで買った腕時計を1つキツく締めるようになった頃、ハイになってた僕は「この状態で死ぬのはまずくないか?」と突然覚醒。
弱ってる場合じゃない、こんなやつれた体で死んだら天国でアイツに会った時に再会の涙より先に「死なないで!!!」って泣かれるよ。
もう死んでる、なんて冗談を返す間もなくきっと僕も興奮に耐えきれずぶっ倒れるだろう。
栄養の行き届いてない脳が考えた生きるための第一歩は「肉を食う」こと!
とはいえ、しばらく料理もしてない冷蔵庫に肉なんて…ある!冷凍庫にトリ胸!!!!アイツが「明日はこれで唐揚げにしような」って入れてたやつ!
僕はお前を唐揚げにしてやれない…(調理スキル的な意味で)から、解凍して丸ごと火にかけるの。