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    食べ物語夢
    しすいえん×創作若「キスをしなければ出られない部屋。」(語彙力が後半になるにつれ疲れてきている)

    「うーんどこの部屋だっけなぁ…」
    「ー書庫では…ないでしょうか。」
    「書庫…そこに資料あるかな、」

     今日はとある参考資料を探しに扉がいつくも並ぶ廊下を若と子推燕は歩いていた。
    日が眩しく床を照り付ける中、トントン、と足音が響いている。
     子推燕が、探している資料集がもしかすると書庫にあるかもしれないと言い、それに若はそうかもしれない、と頷き、歩き出す。
     そして道を右へ曲がり、まっすぐ歩く。
    「ーここだっけ、書庫って」
    あるはずのないところに扉があった。
    だが扉の横にあるプレート看板には、きちんと書庫と記されていた。
    「…だと思います。 とりあえず入りましょう。」
    子推燕がそういうので、特に気にせず若は扉を開け、中に入った。
     が、扉を開けてみたがそこにはただ何もない空間で、驚いた瞬間、急に扉がバタンとしまり、ガチャン、と明らかに何かが悟れてしまうような音がした。
    「えっ」
    「…!?」
    ーいきなりの出来事に身が固まってしまった。
     まさか、という思いで扉をドアノブをひねったが、ガチャガチャ、と音が響くだけだった。
    「え、え、? あ、あ、開かない…っ」
    「…閉じ込められましたか…?」
    「ど、どうしよう…そうかも…ど、どうしよう…出られない…っ」
     震えながら不安を言葉に溢す若。子推燕は眉を下げ焦るように若の方を見つめ、答えた。
     部屋は特に何も置かれていない状態で、助けを呼べるような物もない。
     焦りと震えで、如何すればよいのかわからない気持ちでしかなかったが、とりあえず辺りを見渡し、何かないかと思っていると。
    「!若殿…。 上を…みてください」
    「上…? …!?」
     若は子推燕の言う通り上を見上げた、するとそこには大きなプレートが飾られていた。
    ーキスをしなければ出られない部屋
    「…っなにこれ…?」
    「…。」
     若干頬を赤く染める子推燕。
     若は動揺と恥ずかしさを隠し切れず、ただ立ちすくしていた。 
    「(ーこ、ここは…しなきゃだめ、なのかな…っ // で、でもほんとに、したらでられるのかな… )」
     そう迷いながら思考を回らせていた。一方子推燕は平然な表情で、何かを考えているような雰囲気を醸し出していた。
    「(…でも子推さんは、…キス…って知っているのかな…。」
     いくら付き合っていてもー…。
    子推燕とこの空桑の若は、付き合ってやや2週間といったところで、もうしてもよいのだろうか、という迷いが若にはあった。
     考えれば考えるほど口がへの字に曲がる。
     彼ー 子推燕はあまりそういうものには興味を示さずにいるので、若はどうしようかと考えた。 自分からしようか、と。 
    「あっ、あの、子推さん。」
    「? なんでしょうか…?」
    「あの、これ…上に書いてあること、私がしてもいい…?」
     顔が火照るのを感じながら、震えているかもしれない声を出しながらそう訊いた。
    「…! …いいですよ。 …/」
     顔を少し赤らめて口元に手を当てながら、子推燕は言った。
    「そっそっか! あ、じゃあ、…//少し、背を低くしてもらっても、大丈夫…?」
    「はい、」
     そして、子推燕に少し身を屈めてもらった。
     その時、子推燕の翼は低く下がり、さらりと前髪が揺れた。目が合い恥ずかしさもありながら、少し上から見る子推燕さんも綺麗だな、と少し見つめていたのに自身で気付き、早くやる事にうつろうとした。
     心臓がこれでもかというほどに高鳴る。 
    そっと子推燕の頬を撫でるように置き、口を近づける。
    「う…//」
    「…//」
     吐息がお互いふれ、離れたいぐらい恥ずかしくなっていた。
     若はぎちっと目を閉じていて、今子推燕がどういう表情をしているのか、気になっているまま早く鍵が開かないかという気持ちを抑えながらキスを続けていた。
     鍵が開いたような音はなく、一体どこまでさせるのだろうという思いがあった。
     ちゅ、という音が恥ずかしさを更にかきたてる。
    「ふ、ぅ…//」
     少し手が震えてきて、恥ずかしさで倒れそうになってきたその時。
     突然に、子推燕に震えていた腕を掴まれ、頭を抱えられ押し倒された。
    「ぅ…っ!?」
     押し倒された次の瞬間、子推燕に口づけをされ、思考が正常に判断出来なくなってくるのを感じた。急な展開に追いつけていけず、ただ顔を赤くすることしかできない。
     一方子推燕は黙ったままで、顔を見ようとしても気持ち良さがあり、そして頭の中は混乱していて、口の中から酸素が奪われていくせいか目から少し涙が出そうになっていた。
     苦しくなり口元が緩んだ瞬間、子推燕の舌が口に入ってきた。
    「ふぁ、ぁ、/」
    「っん、」
     子推燕は若にお構いなしにキスを続けている。
     キスはどんどん激しくなり、ぐちゅ、ちゅ、と聞いていて恥ずかしくなるような音が立っていた。
     あまりの激しさに耐えきれず、情けのない声が口から漏れた。
    「ゃ、ぁ、っ」
     恥ずかしさで沢山で、もう限界と感じとり力を出して、指先で子推燕の胸を押した。
    「!」
     子推燕ははっとした様子でキスを中断し、口を離す。
     つー、と唾液が一本の糸のように伸び、しゅんと切れた。
    「あ、う、…//」
     息が切れていて、はぁはぁ、という呼吸がしばらく続く。
    「わ…若殿…その…申し訳ありませんでした…。」
     自分の行いに気づき、焦りながら謝る。
    「…っ///ぁ、…っ 大、丈夫…っ。 少し驚いたけど…っ」
     口を離してくれたので、息苦しさを落ち着けようと少し深呼吸をする。
     翼を低くし本当に申し訳ない、と謝る子推燕。
    「ううん、全然大丈夫。 怒ってもいないし…でも…あの、私のキス…嫌だった‥?やっぱり」
    「…いえ、心地よかったです。ですが…私の心が…若殿のことを攻めたいという気持ちに…。」
     ー若は驚いた。
     若のキスが気に入らなくてあんなことをしたのだろうと思った。
     訊くとその想像とは違く、攻めたかった、と言われた。
    「そ、そうなんだ…っ// …うれしい…。/」
    「…//」
     胸がドキドキと打ち、その場には少し沈黙の時間が続いていた。
    すると、扉の方からガチャンッ、と大きく鍵が開いたような音がした。
    「ぇっあっ開いた!?」
     素早く立ち上がり、もしかしてという気持ちを抱きながら扉を見つめた。
    「…開いていますね」
    「よかった~。」
     子推燕は扉を開け、そう安心しきったように言った。
     若自身も安心し、ようやくこの焦りと恥ずかしさから解放されるのか、と肩をだるく下げた。
     そして隣を見ると、子推燕の頬はまだ少し顔が火照っていた。
    「…あの、子推さん、キス…うれしかった…。 きゅ、急でびっくりはしたけど…気持ちもよかった」
     唐突にこんなことを言ってしまったが、本当に嬉しかった。
     まさか彼からしてくるとは思わなくて、それ故に嬉しさがあったのだ。
     そう笑ってお礼を告げると、子推燕は少しそっぽを向いて、顔を赤らめていた。
    「はい…。/」
     何故こんな部屋に入り込めたのかもよく分からなかったが、…そんなに嫌ではないものになった。 
     思い返しそう若は思った。
     確かに焦りや不安が気持ちに混ざっていたけど、
     ー子推燕と共にいたから、もしかしたらまだ落ち着けていられたのかもしれない。
     外の風を感じながら、そう思った。
    「さて…今度こそ本当の書庫へ行かなくっちゃ…。」
    「ですね。…また閉じ込められたらどうしましょうか」
    「えっ?…どうしよう…。 でも…もしまたそんなことがあっても子推さんとなら大丈夫かな、色々。」
    「…そうですか…。」
     彼はそう言い、また照れる。
    「(凄く不安もあった。けど、ある意味ー 夢のような時間だった…のかも…?)」
     そう思うと口元が緩み、一人で笑ってしまったのは秘密。


    (終了)
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