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    マキオ

    マキオです

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    マキオ

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    モブハン→ルスハンNTRのモブ屑彼氏視点ssもどき冷えた俺の手には何故か近所のアイスクリーム屋のチラシがあった。アイツが好きな店だ。謝って、これを見せて、アイスを奢ってやろう。きっといつも通り苦笑して、仕方ないなと小さく呟いて許してくれるはず。そしてまたいつも通り、居心地の良い関係に戻れるはずだ。あれはただの遊びだった、そうだろ?
    昨晩、安いモーテルのベッドで眠る女の温もりに後ろ髪引かれながらもこそこそと抜け出し、廊下でアイツからの着信を取った。映し出された映像の人物が誰か、最初よく分からなかった。というのも、ジェイクは俺の見たことのない顔をして、俺の聞いたことのない甘い声でひっきりなしに喘いでいたから。絡めた指を離すまいと握り、蕩けた顔で一生懸命知らない男の名を呼ぶジェイクを見て、俺の手は汗ばみ、酷い焦燥感に勝手にわいた生唾を飲み込む。撮影者であろう間男の「よくできました」という砂糖のような声を最後に通話は切れた。そして暗闇で一人立ち尽くしていた俺は、さっきまで散々女に欲望をぶつけたにも関わらず、自身の股間が情けなく勃ち上がっていることに気付いたのだった。

    ガチャ、と玄関の扉が鳴ったことに気付いてハッと顔を上げる。勝手知ったる自分の家のドアを開けた恋人は、出迎えに出てきた俺の顔を見て少しだけ目を丸くした。
    「…なんだ、まさかいるなんて」
    彼の表情が軽蔑でも侮辱でもなく、いつもの薄い笑みであることに内心胸を撫で下ろした。胸にゆっくりと立ち上る生暖かい優越感に俺の口角も人知れず上がっていく。やっぱりお前、俺が好きだろ?結局俺から離れられないんだろ。安心すると、穏やかな彼に急に怒りが湧いてきて俺は昨晩の悪趣味な痴態について文句を言おうと口を開ける。しかしそれが声になることは叶わなかった。
    「入っていいか?ジェイク」
    彼の、ジェイクの背後から突然、大柄な男が入ってきたからだ。完全に発言の気を逃した俺の口ははくはくと魚のように開閉する。
    「ん…?あぁ」
    男が俺を見て、納得したようにすっと目を細めた。男の目尻は穏やかに下がり甘い雰囲気を纏わせているのに、濃い茶の瞳に光はまったく湛えていない。鍛え抜かれた筋肉に包まれた厚い体は、長身も相まって威圧的だ。"オス"としての敗北を完全に悟り、蛇に睨まれた蛙のように動けなくなった俺は、その闇みたいな目から視線を逸らすので精一杯だった。
    「っ、じぇ、ジェイ」
    「ぁっ…♡ん、こら、るーすた、」
    助けを求めようと必死に絞り出した俺の声は恋人の小さな喘ぎ声にまた行き場をなくしてしまう。視線を上げると、頬を染め、困ったように背後の男を睨むジェイクが居心地悪そうに腰をもぞもぞと動かしている。ジェイクの豊かな尻を男の不躾な手が揉んでいるからだ、と気付いた俺はカッと頭に熱が上るのを感じた。しかし反対に俺の手や足はピクリとも動かず、ただ恋人同士のように親密にふざけ合い、段々声に熱を帯び始める二人が、俺などいないものかのように横をすり抜けていくのをじっと待つことしかできなかった。んぅ、ん…等と聞こえてくる悩ましげな声をできるだけ振り払って、俺は滑る手で自身の荷物をまとめ、湿度の高くなった部屋から逃げるように出る。「あ、合鍵返してくれるか?」一刻も早くこの場を去りたい俺の背中にジェイクの声がかかって、俺はもはや泣きたい気持ちだった。キーケースからセレシン宅の鍵を引きちぎるようにして外し、ほとんど玄関に投げ捨てるようにして家を飛び出す。背後で聞こえる「まっ…、ぶらっどり、アッ、朝から散々ヤって…っ♡」という言葉を最後に扉は締まり、俺はもつれる足で走り去った。バッグの持ち手と一緒に握ったアイスクリーム店の広告が、手汗でぐしゃぐしゃになっていた。
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    recommended works