ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部十話「王妃、隣国の王をもてなす」 ディアヴァルと王妃グリムヒルデが地下室で秘薬を調合した日から数日後。
麗々しい行列を仕立てた一行が入城した。隣国の王とそのお供、そして護衛の兵士たちだった。
派手な衣装をまとい飾り立てた幟を持った先触れの男がまず現れ、新たな王の到来を告げる。それを聞いた住民たちはみなそそくさと家の中に引きこもり、新たな王ってどういうことだ? と口々に言い合うのだった。我らが王は討たれて崩御した。それではあの男がこの国を我が物にしたというのか? いやいや、今から王を名乗るのはいくらなんでも早すぎるだろう…。人々の不安や憶測をよそに、隣国の王ご一行様は堂々と行進して、王妃の待つ城へと向かうのだった。
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