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    理庫@ricosouko

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    プロメア バーニングレスキューの何か

     その日、国家救命消防局は騒擾の炎で燃え盛っていた。


     あまりの事態にバーニングレスキュー第三部隊長のイグニスは上層部に呼び出されて不在。残った隊員達を任された副隊長のレミーは頭を抱えていた。他の者も皆ただひたすらに困惑の表情を浮かべており、誰かが口を開いても「どうしよう」といった意味合いの言葉しか発さない。
    その重たい空気……とはまた違う異様な空気を割くように、時間通りに出勤してきたガロへと既に一堂に会していた皆の視線が向き、叫ぶような勢いで口を揃えて彼へと問う。

    「ガロ!お前リオから何か聞いてないか?自分の口座は確認したか?ポストに小切手が突っ込んであったりとかしなかったか!?」
    「ちょっともーガロ……マジでヤバいコトになってるわよぉ」
    「何だ何だ?レミーもルチアも落ち着けって!あっ、おいアイナ!お前すげぇ顔色悪いぞ?つうか全員か?俺にもわかるようにゆっくり話してくれよ」

    いつもの面々が揃って落ち着かない様子に、ガロは災害や事故などが原因ではない異様さに気付き説明を求めると、レミーは眼鏡を一拭きしたのち椅子にどさりと荒々しい音を立てて座り込み、ひどく簡潔に事のあらましを言った。

    「リオの生家からとんでもない額の寄附金が送られてきた」


     ありがてぇ事じゃねぇかと特に驚く様子もなく言うガロに、ルチアがその額を耳打ちすると、大袈裟すぎるほどの反応をようやく返す。その場に座り込み頭を掻き毟るガロへと、深刻な災害現場を目の当たりにしたときくらいにしか見せない複雑な顔をしたバリスが近付き更に言う。

    「それだけじゃねぇぞ、今朝アイナが預金を確認したら明らかにおかしいくらい増えてるって悲鳴を上げたから全員確認した。お前も見てみろ、リオの面倒見てるだけあって俺達よりメチャクチャな額になってるだろうな」

    ガロはマジかよとこぼしながら小型端末を手早く弄ると、とうとう床に額を押し付け倒れ込んでしまった。ちらりと画面を覗き込んだルチアは「えっぐいわぁ」と顔を顰めたのち、ソファにでも運んでやってとバリスへ目線を送る。

    「はぁ、今日に限ってリオが非番だなんて……というかリオひとりで非番とか、もうガロが監視役の意味ないじゃん!」
    「まぁその辺はゲーラとメイスもそうじゃない?一応隊長の面目は守るって自覚はしてるっぽいし、今頃なーんも知らずに隊長の家で寝てるでしょ」
    「え、あいつらも非番なの……?」
    「んーん、お休み。休日。自由の身の元テロリストだよん」

    アイナはルチアとっておきの栄養剤を飲ませられながら彼女と話す。その内容にまた意識が遠のきそうになり、追加の栄養剤を要求する有様に、レミーは一層険しい表情を見せる。
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