告白予行練習side:M
放課後の教室に2人っきり。
私が日誌を書き終わるのを待つ彼は持ち主のいない前の先に座って、長い足を投げ出したまま携帯を操作している。そんな姿すら絵になって、私の心臓はドキドキとうるさくなっている。
彼、七ツ森くんと知り合って2年が過ぎた。徐々に私の中で積み重なった思い出は知らぬ間に形を変え、恋心と名前がついていた。彼と一緒に過ごすだけで満足していたはずの私の心は、もっと先を望んでしまっている。
チラリと前を伺えば、携帯に落としていた彼の視線がゆっくりと私へと向けられてパチリと視線が重なった。
「なに?どうしたの?」
そう言って細められる目の優しさに胸がギュッと締め付けられる。
「待たせちゃってごめんね?」
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