草木生い茂る夜の里山。
空に浮かぶ満月の光が闇に紛れ駆ける白い毛並みを輝かせる。
「あ、あそこです!」
「今度は見失なわねえかんなー!」
「う、うさぎさん、待てぇーっ」
夜目の効く短刀たちがその姿を捕らえると持ち前の機動力を活かし駆け出してゆく。
「おいお前ら!ここは敵も居るんだ、無闇に踏み込むんじゃねぇぞ!」
「分かってるって、和泉守…じゃなかった隊長!」
「道しるべに小石置いていきますので後から来てくださ〜い!」
「す、すみません、さ、先に行ってますっ!」
部隊長である和泉守の前を駆ける厚、秋田、五虎退は各々告げると闇の中へと消えていった。
「疲れ知らずかよ、あいつら…はぁ」
「ほがなわけないろう、ずっとわしらと一緒にここを探索しゆうがやき、疲れちゅうちや」
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