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    すなはじめ

    @OrangePow

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    すなはじめ

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    多分3月ぐらいからほったらかしにされてたテストネタ彰類。シーン溶接してない。
    別の話でテストネタやったのでこいつはもう完成することはない…………。この頃は司もそれなりに勉強できるやろ、という印象で書いてた。まさか赤点は避けたいチームに編成されるとは。あと杏ちゃんも勉強がゴニョゴニョ……なのは完全に失念してる。

    「そんなことだろうとは思っていたけど、君は驚くほどやる気がないねえ」頬杖をついてこちらを見ていた神代類は大きなため息をついて言った。
    「そりゃ、冬弥に無理矢理連れてこられただけなんで」東雲彰人は負けじとため息をつきつつ、手に持ったペンを弄ぶ。「つーか神代センパイには頼んでないんだから、帰ればいいじゃないですか」
    「僕はその冬弥くんに頼まれてるんだよ」
     余計なことを、と彰人は思ったが委員会の仕事がある相棒に全て頼り切るわけにもいかないことはわかっているので、諦めて目の前に広げられた問題集に意識を向け、もう一度大きくため息を吐いた。

     テストが近い。いつもならヤマ勘で勉強する箇所を絞ってなんとかしようとする彰人だが、今回は青柳冬弥がそれを許さなかった。
    「彰人。これからテスト期間が終わるまで、ふたりでの練習の時間をとるのは控えようと思う」
    「は? なんで」
    「どうせまた勉強をせずに、ヤマ勘でなんとかしようとしているんだろう」
    「それは、まぁ」彰人は目を泳がせながら言った。「いけるだろ、多分」
    「前回の点数を覚えてないのか?」
     冬弥の言葉に彰人は言葉をつまらせる。前回は予想が外れたのもあって、ぎりぎり赤点は免れたものの散々な点数だった。その点数を聞いたときの冬弥の顔は、普段の感情の読めない表情からは想像できないほどに呆れを雄弁に語っていた。
    「赤点を取って追試験や補習になれば、小豆沢と白石にも迷惑がかかる。四人で組むようになった以上、今までと同じという訳には……」
    「あー、わかったわかった。テストまでは練習の時間は最小限、な」
    「そっちは主題じゃない。テストの範囲内だけでも、復習をしろと言っている」
     淡々と告げられた正論に、彰人は顔を顰めた。

     テスト期間中の図書室というのは、普段の利用者とはまったく顔ぶれが変わる。誘惑の多い自宅や友人宅を避けて真面目にテスト勉強に励むものもいれば、ただ机に向かったという実績を作りに来たような、ずっとスマホなり漫画本なりを見つめている生徒もそれなりの数がいる。日頃からの利用者からすれば煩わしいことこの上ないことだろう。

     渋々といった様子で問題を解き進めていた彰人の手が止まる。先程から、正面に座る類の視線が、ある一点をじっと見つめているのが気になって仕方がないのだ。
    「あの、気が散るんですけど」
    「でもそこ、間違っているから」
    「はっ!? なら早く言って下さいよ!」思わず大きくなった声に図書室中の視線が集まる。彰人は「すみません」と周囲に謝りつつ頭を下げると、キッと類を睨んだ。
    「学習というのはね、何でもかんでもすぐ答えを教えればいいってものではないんだ」ゆったりと口の端を上げて、類は小声で言った。
    「そうですか」
    「おや。これは結構真面目な話なんだよ?」
    「今、問題問いてるんで。後にしてくれます?」引き攣った表情で彰人が話を打ち切る。
    「つれないね」類は残念そうに呟いた。
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