ギフト・フォー・ユー くあ、と欠伸をひとつして、ブラッドリーは早朝の魔法舎を歩いていた。
普段ならばまだソファーで寝息を立てている時間だが、どうにも目が覚めてしまったのだ。空腹を訴える腹の音に逆らわず、自ずと足はキッチンへと向かう。
何か作り置きでもあればいい。最悪の場合、包丁を手に追いかけまわされる覚悟で昨日のうちにネロが仕込んでいた朝食のおかずに手をつければ。そんなことを考えながらキッチンへと辿り着いたところで、作業台に先客が居ることに気がついた。
「よう中央のちっちゃいの。こんな朝っぱらから何やってんだ」
ブラッドリーが声をかけると、鮮やかな金の髪を揺らし、その少年は目を見開いた。
「ブラッドリー、おはようございます。今日は早いんですね」
1985