照れ隠し「ーーーーごめん、好きな人がいるんだ。」
ジリジリ肌を焼くように照らす太陽に嫌気が刺す。肌が赤くなりただ痛くなるだけのそれに何度悩まされたことか。校舎裏に逃げてしまった猫を追いかけ、じわりとワイシャツに染みる汗に気持ち悪さを覚えていればそんな言葉を耳にしてしまった。
ーーあぁ、神様。これは告白する勇気すら出せなかった腰抜けの俺への天罰か何かでしょうか。告白していても同じ結果だったなら、と諦めがつくこのネガティブ思考もそろそろ辞めたいところだ。
高3の夏。アイツへの恋はそこで終わった。
そいつと出会ったのは高1のクラス替えのタイミングだった。俺なんかにやけに構ってくる、いわゆるお節介をしたいだけの奴なのだろうと勝手に思っていた。しかし、他の奴とは淡白で1歩引いた関係を築いていることを知り、単純な俺は特別扱いが嬉しくてそいつと一緒に過ごすようになった。一緒に過ごすと言ってもそいつが犬のようについてくる感じだったが。
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