生徒会へ特殊能力者の居場所と能力を伝えたあと、そのまま保健室へ向かう。髪や服を乾かす時に生徒との遭遇を避けるために、またドライヤーや替えの制服を置いておくのに便利な場所だった。
扉を開け入室すると、水に濡れた姿を見た養護教諭が入れ替わりに保健室から出ていった。星ノ海学園の教員は組織の活動をおおむね把握しているため、このような時にも説明の必要はない。
ドライヤーをかけながら先ほど伝えた能力者について考える。友利たちの動向は今回は目時たちが追っている。相手も強力な能力ではない。今日はこのまま研究施設に戻っていいだろう。
扉の開く気配にドライヤーをオフにし振り返る。女子生徒がふたり、中を覗いていた。入室しようかまごついている様子だ。ドライヤーを片付け、髪をまとめて結い保健室をあとにした。
1521