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    371marine

    @371marine

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    371marine

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    にょた百合🌺🎍やっとかけたのでUP
    百合で口紅ネタ書きたくて…早めの誕生日祝います

    リップオフ (にょた百合🌺🎍)俺の恋人はとても美人だけど、気まぐれで割と短気で不思議な人。今だってうちに遊びに来ていきなりはいと小さいショッパーを渡してきた。
    「ひよこちゃん、これあげる」
    「今日って記念日でも誕生日でも無いよね…?」
    「そうだけど?」
    何言ってんだこいつみたいな顔する蘭君に、こっちが聞きたいわという気持ちを抑えじゃあ真ん中バースデー?と聞けばそれも違うとニコニコな蘭くん。

    「似合うと思って買った」

    はい、どうぞ。と渡してきたショッパーは可愛くて有名なデパコスのロゴでオイオイ。中身はアラサーとは言え学生が持っていい品物ではないだろと思いつつ中身を見るとスキンケアのサンプルとスティックタイプのケースがあった。
    「口紅……?」
    「だな」
    「だなって、蘭くんが買ってきたんでしょ?」
    なんでこう、他人事の様に言うのだろうかと言えばどうせ彼女は他人だからに決まってんだろって言うに違いない。蘭くんはまぁまぁ、早く開けて見てみなよと急かしてくる。
    箱からあけてリップを見ると赤とかピンクではなかった。
    「紫…?でもピンク?」
    「カシスベリーだって」
    オシャレとはよく分からないものだ、化粧慣れしてない上に普段がリップクリームと日焼け止まりの自分に恋人はいきなり上級者向けのブツを渡してきている。しかも、自分には無縁の色。
    「嬉しいけど…似合うかな?大人っぽくて俺にはもったいないかも?」
    蘭くん怒ってないよね?と恐る恐る伝えると蘭くんはふわりと優しい笑みをみせてくれた。

    「試しに塗ってみたらいいじゃん、似合わない相応しくないなんて勝手に決めつけるな〜?」

    口紅貸してみ、と言うから素直にはいと渡すと蘭くんはちょっと待て。と言い先に下地からと持っていたリップクリームを俺の唇に塗るとその上から先程渡した口紅で色を差した。
    「…いきなり口紅なんか塗ったら唇荒れるし色ノリ良くないから。ほら、鏡見てみなよ」
    「え、おれ…?」
    「似合ってんじゃん、可愛いよ」
    渡された手鏡を見るとキラキラと自分が輝いているように見えた。何言ってるんだこいつと思われるかもしれないが、カシスベリーと言われてもそんなに紫色が強いわけでもなく馴染みもよくて可愛いというよりカッコイイピンク色のような組み合わせが俺の唇に出来上がっていて、不思議な高揚感が生まれる。
    ただ、大人っぽい唇に反しそれ以外は子供っぽくアンバランスに感じた。
    「口紅負けしてる。っておもうだろ?まだ終わりじゃないぜひよこちゃん」
     ぎくり。なぜこの人は人の痛い所をつくのが上手いのか、恐るべしカリスマ・・・。
    「まだ、終わりじゃ無いってどういう」
     こと?と聞こうとした時、ふにっと唇に蘭君の唇が重なった。

    「・・・、こーいうときは目を瞑るもんなんだけどひよこちゃん。だもんな、可愛いから良いけど」
    「はっ?ゑ??」

     困惑中の恋人の気持ちなんてお構いなしに蘭君はもう一回鏡見てみ?とまた手鏡を見せるとそこには、先ほどよりリップが馴染んでいて口紅負けしていなかった。

    「さっきより違和感ないっすね?…これなら良いかも」

    「だろ?…だからこの口紅は一緒にいるときだけ塗ること。蘭ちゃんとのお約束まもれるよな?」

    「…ひゃい」

    …、美人なコイビトにされる顎クイには逆らえないのだ。

    後日、俺は灰谷家で恋人の妹である竜胆くんと映画鑑賞会をしていた。
    二人でソファーに座り塩味のポップコーンを食べながら昔放映されていた洋画を楽しんでいると竜胆くんは思い出したかのようにポーチから口紅を取り出した。
    「じゃーん、新作でたから買ってみたんだよね」
    「へーいいっすね」
    「前から欲しくってさ、試しに塗ってみよ」
    近くにある折りたたみ式の鏡を立て鼻歌を交えながら口紅を塗る竜胆くんを余所に映画に集中する、勿論ポップコーンを食べながら。時折麦茶で水分補給も忘れない。口紅を塗りおえた竜胆くんは少し困った顔をしていた。赤い口紅は強気な彼女にピッタリはまっているように見えるのに何がだめだったのだろうか?
    「似合ってますよ?」
    「そりゃ、俺は可愛くて綺麗だから良いに決まってるんだけどさ…」
    まんざらでも無さそうに言う姿を見てこの二人、やっぱり姉妹なんだなあ~としみじみ思う。
    「ちょっと、思ったより濃いカモ…、捨てるのもったいないしこれはグラデ用いきだわ」
    「グラデ、用?」
    目をパチパチさせる俺を余所に竜胆君は馬鹿にもせず淡々と説明していく。
    「最初に、薄い色のリップ塗った後に真ん中に濃い色塗って暈かすんだけど…まずはティッッシュオフが先」
    「ティッッシュオフ…」
    また新たなワードが現れた、化粧とは奥が深い物だ。
    「ん?ああ、代理はまだメイクそんなにしたこと無いんだっけ?みてみ」
    そう言って竜胆君は説明しながら見せてくれた。
    ティッッシュを一枚手に手を取りんまっと口に挟んで数秒たってから口を離した。
    「こうやってな、余分な口紅を落とすとほら」
    「さっきとまた違う…」
    「だろ?こうしたらべたつきとかも無くなるし馴染みも良くなるわけ…代理?」
    どや顔で説明をしている所、申し訳ない…つまり?キスなんかしなくても口紅の馴染みが良いワケで…?

    「うっわ代理真っ赤じゃんカーワイ」
    竜胆君にほっぺをツンツン押されながらも気が気では無かった。
    ただいまー。とのんきに家のドアを開ける蘭君の元へ向かい大声で彼女の名前を叫ぶのであった。
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