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    夜間科

    @_Yamashina_

    落書きをウォリャーッ!ってします。

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    夜間科

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    「轍」
    豊前と松井。豊前が死にかけています。
    ※流血多め、内臓まあまあ、メンヘラ多め、救い少なめ
    続きを書くつもりはあったけど供養。

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    recommended works

    Norskskogkatta

    DONE主さみ(男審神者×五月雨江)
    顕現したばかりの五月雨を散歩に誘う話
    まだお互い意識する前
    きみの生まれた季節は


    午前中から睨みつけていた画面から顔をあげ伸びをすれば身体中からばきごきと音がした。
    秘宝の里を駆け抜けて新しい仲間を迎え入れたと思ったら間髪入れずに連隊戦で、しばらく暇を持て余していた極の刀たちが意気揚々と戦場に向かっている。その間指示を出したり事務処理をしたりと忙しさが降り積もり、気づけば缶詰になることも珍しくない。
    「とはいえ流石に動かなさすぎるな」
    重くなってきた身体をしゃっきりさせようと締め切っていた障子を開ければ一面の銀世界と雪をかぶった山茶花が静かに立っていた。
    そういえば景趣を変えたんだったなと身を包む寒さで思い出す。冷たい空気を肺に取り入れ吐き出せば白くなって消えていく。まさしく冬だなと気を抜いていたときだった。
    「どうかされましたか」
    「うわ、びっくりした五月雨か、こんなところで何してるんだ」
    新入りの五月雨江が板張りの廊下に座していた。
    「頭に護衛が付かないのもおかしいと思い、忍んでおりました」
    「本丸内だから滅多なことはそうそうないと思うが……まあ、ありがとうな」
    顕現したばかりの刀剣によくあるやる気の現れのような行動に仕方なく思いつつ、 1555

    nogoodu_u

    DOODLE命ふたつ(さみくも)
    さみ→くも所感。花見ボイスの話です
     晩春の雨は細かく、霧に近い。村雲は今日も、腹痛を訴えてしくしく泣いている。
    「雲さん、大丈夫ですか」
    「うん」
     五月雨の膝に突っ伏す背を撫でていた手を髪に通すと、心地良さげに息を吐く。無理をしているわけではないようだ。
     開け放った窓の外に、もうほとんど散りかけの桜が見えた。わずかに残った花も雨に落とされつつあり、それが彼の顔色の青白さと重なる。
     
     本丸で花見の宴が開かれた時のことだ。誰かが顕現して間もない村雲の髪を指して、桜の色だと言った。それを聞いて五月雨は、逆ではないかと思ったのだった。
     五月雨は人の身を得てからは冬しか知らず、春が来るよりも先に村雲を迎えた。だから五月雨にとっては、村雲が桜の色なのではなくて、桜が村雲の色なのだ。そのことを自覚して以来、桜を見るとなんとなく、村雲を思い出してしまう。 
     
     五月雨は俳家で、忍びで、犬であるから、神も仏もなくただ生きている。それでも村雲江という刀を見ていると、生とは苦しみであることを強く意識する。
     以前もこんなふうに村雲を介抱してやりながら、五月雨は苦しむ村雲を見かねて思わず、どうしてこんなところに来たのかと訊いたこと 1788