肌 七虎はーーーーーーー
肺が空っぽになるようなため息が出た七海が、
目の端に映る長い針を呆然と見つめる。
そんな七海が倒れ付しているのは、地獄の連勤を終えて、久々に帰って来た自宅のソファーの上だった。
べとべとの身体はもう諦める、諦めるとしてせめて顔くらい洗おうと、まんじりともせずしだして早、1時間程。
あー。あと長針が5の位置を指したら動こう、いや10、12、5……と思っていたところにリビングのドアが開いた。
「うわわっ、ナナミンが居るっ」
そう言って視界に舞い降りたのは天使。いや恋人の虎杖くんだった。
くたびれた私にかけより『おーい!お疲れーっ』なんて手を振りながら言っている。
「いたどりふん……」
「だめだこりゃっ」
2028