小さなガラス瓶に入った真っ白い毛。雷狼竜の高電毛だ。もう十数年も前のものだが、まだ少しだけ光は残っている。ウツシが「君たちだけの勇気の証だよ!」と言いながらまだ6歳の俺らにくれたものだ。たぶん朝陽もあずまも大切に保管して………ないだろうな。
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「『おとしもの』て知ってる?」
「しらない」
あずまの問いに朝陽と俺は声を揃えて答えた。
「モンスターをたおさなくても『おとしもの』をひろえば、すげぇそざいも手に入るらしい」
「うわ!オレ!ちょうでんらいこうちゅうほしい!!」
朝陽が早速話に飛びついた。俺は、モンスターが出現するところまでは行かないと落とし物は拾えないんじゃないかと思った。
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