Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    nisemono_asg

    @nisemono_asg

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 15

    nisemono_asg

    ☆quiet follow

    お蔵から5年前の化石文発掘。続かない。

    #ヤスヒラ

    やすひら出会い(一目惚れ編)アカギの偽物を立てて一儲けしてやろう。
    そう思いついてから半年ほど経ったある日。
    「白髪で目鼻立のいい青年を探して欲しい」と頼んでいたその筋の人間から連絡があった。
    難しい依頼だったが随分と早く見つけられたものだと驚いたが、差し出された写真を見て更に驚いた。
    写真に映るその男は、予想を上回る美しい顔立ちだった。
    依頼通り、髪は真っ白だ。
    髪型や服装は違うが、まさか本物なのではと期待を抱いたほどだ。


    早速本人にコンタクトを取り、喫茶店で待ち合わせた。
    自分は予定より少し早めに到着し、奥の席でタバコをふかす。
    夕暮れ時、そこそこ賑わっていた店内は、その男の来店により一瞬で静まり返り、一拍置いてざわつきはじめた。
    入り口に目を向けると、写真で見た通りの青年が白のピンストライプスーツに身を包み、白銀の髪はオールバックに決めて颯爽とこちらへ歩いてくるのが見えた。
    背は思ったより高く、やはり何より、今までどうして過ごしてきたのか想像もつかないような、秀麗な顔立ちだった。

    そいつはオレの近くで立ち止まり少し辺りを見回した。
    うっかり見惚れていた。ハッとして軽く手をあげると、そいつは気づき、机を挟んだオレの前に腰掛けた。
    店内の全ての視線を感じる。

    「マジ…ばけもの…」

    思わずタバコをもみ消し、口に手を当ててそう呟いてしまう。
    あのアカギも今頃はこんな感じなのだろうかと頭の隅で考えた。

    「あんたか……白髪の若い男を探してるってのは……」

    そいつは少しムッとした表情でぶっきらぼうに切り出した。
    中身は案外普通の男のようだ。

    「何の用だか知らねえが…オレは毎日後を付け回されてあまりいい気分じゃねえんだよ」
    「あ……ああ……すまん」
    「あんた何者?まともそうには見えねえな」

    そいつは切れ長の目を細めてじっとオレを見つめた。

    「ああ…オレはちょっと……こういうもんだ」

    この段階ではあまり出したくなかったが、オレはおもむろに刑事手帳を示した。

    「えっ!?……ケーサツがオレに何の用……ですか」

    思った通りそいつの表情は一気にこわばる。
    これを出すと誰もがそういう反応をするものだ。

    「安心しろ。別にお前が怪しいことをしたからとっ捕まえよう……とかって話じゃねえ」
    「は……はあ…」
    「少し協力してもらいたいことがあるんだ。嫌なら断ってくれればいい」
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤👏👏💴💖😍😍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works