だって君のせい「俺さ、普通のΩに比べてヒートの周期が不安定であんま来ねぇ上にかなり軽めなんだよな〜。ヒートだからってなんかしようとかしなくてもいいから、今まで通り普通に過ごそうぜ」
Ωである坂田銀時のヒートは他のΩに比べて軽い。彼はそう言った。
俺はそう聞かされていた。
たしかに、体調次第でホルモンバランスが崩れ周期が乱れたりするだなんて話は今までに聞いたことがある。体質的な問題でヒートの軽さや周期の乱れがあるのは別段おかしなことではない。それに、本人は嘘を言ってる風にも見えず。万事屋に住む子供達の態度を見る限り本当なのだと思っていた。
俺達は事故的に番になった。
初めて目を合わせた瞬間に、身体に走った衝撃がお互いを運命の番なのだと教えてくれた。屋根の上で斬り合いで己の血が沸騰する、その延長線上だけの事じゃない。荒くなる息と、温度を上げる身体に従ってそいつの腕を引っ張る。後ろで足をもつれさせながらも必死に俺の後ろを歩き、時々右だ左だなど言って来るのに従いどこかの玄関を跨いだ。
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