Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    silflo_2

    @silflo_2

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 35

    silflo_2

    ☆quiet follow

    解剖医キワミと検察官ヤジマの読み切りパロディです。
    気付いたら地味に漫画にするには多いボリュームだったので、小説もどきにしてみました。

    昔バイクでヤンチャしてた奴が白バイ隊員になるのはよくあることだという。ヤジマもその例外に漏れず、お約束のルートを通り、今日も今日とて仕事に精を出していた。

    昼休憩に入り、いつものように仕事仲間とたむろしていると、誰かがふざけて仕事を辞めたいと言いだした。別の仲間が、腕は確かだが偏屈と噂の天才解剖医はどうだ逃げ出す検察官が後を絶たないぞと茶化す。それを耳に流しながらもヤジマは愛想笑いを一つすると飲んでいたコーヒー缶を捨て仕事に戻った。

    ヤジマは今の仕事をそれなりに愛していた。家に帰っても、バイク三昧浮気三昧だとして愛する娘ごと嫁に家を出て行かれて久しかったのもある。それでも月に2回は愛する娘に会えていたので、それで良かった。

    そんなある日、娘の小学校で半グレによる立て篭もり事件が起きた。犯人はこともあろうに娘を人質に取ったという。

    知らせを聞き付け駆け付けたところ、最悪の事態がヤジマの眼前に広がっていた。

    なんと娘が警察の威嚇射撃に巻き込まれ、息絶えていたのだ。

    明らかな銃痕を元に訴えても、半グレの持っていた銃の痕だと現場にいた警察仲間達は不自然に口を揃え出した。瞬時に、ヤジマは娘の死さえもこのままでは消されると悟った。

    気付くとヤジマは娘の亡骸を抱え、腕は確かだが偏屈と噂の天才解剖医の元へ向かっていた。

    解剖医の元にたどり着くや、ことの経緯をひとしきり説明すると、ヤジマは「オレに真実を教えてくれ!」と泣きすがった。解剖医はそれを一瞥すると、「…ちょうど人手が欲しかったところだ」とごちるや席を立ち、着ていた白衣を脱ぎ出した。

    「…ヤジマヒロキくんだったね。

    良いだろう。早速これを着て部屋まで娘さんを運ぶのを手伝ってくれ」
    そう言いうと解剖医は手術着のスペアを投げよこしてきた。

    そして部屋全体をタイルで覆われた仄暗い部屋に入り、手術台に亡骸をそっと横たわらせると、おもむろに解剖医が囁いた。

    「…さぁ、語って貰おうか。君の散り様を」

    (暗転)

    -後日談-
    警察側の隠蔽と解剖医の希望が程良くマッチングしたことにより、ヤジマは晴れて白バイ隊員から検察官へと異動になった。無論、ヤジマ自身の意思は棄却のもとで。

    「私が今日から君の上司となるキムラキワミだ。よろしく、ヤジマ」と胡散臭く微笑み手を差し出す解剖医に、ヤジマは一瞬躊躇った。

    しかし恩義があること、行き場がどこにも無い身の上に考え至る。

    ヤジマもついには腹を括って手を差し出した。
    「…よろしく、ボス」

    こうして二人のドラマは幕を開けた。

    ※暗転内のエピソードはポイピク内にある解剖医x検察官パロ漫画の内容です。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🙏❤🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works