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    sumibiyakinoimo

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    sumibiyakinoimo

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    はるラビ展示作品になります。
    魔法士ジャミル×使い魔ウサギリムですが、魔法士や使い魔の要素がありません。

    魔法士と3日目の使い魔魔法士として独り立ちをする前にやらなければいけない事がある。
    「さぁジャミル、息を整えて魔法陣を組んで。呪文を唱えるんだ」
    パートナーとなる使い魔を召喚すること。使い魔はヒトであったり獣人であったり、話せたり話せなかったり色々らしい。パートナーとなるなら、多少話せる方がいい。姿形は問わないが俺と同じ性別なら衣服には困らないはず。
    「強く念じるんだ」
    「はい」
    魔法陣が俺を囲んで浮かび上がり、消えた。残されたのは俺と……
    「ウサギ?」
    「うーんよく寝た!あれ?ここはどこだ?」
    真っ白な、しかし瞳にガーネットを持つウサギの獣人?
    「先生」
    「これはまたなんと美しい!ジャミルよくやった。君の旅立ちにふさわしい使い魔だ」
    「そう、ですか」
    よく分からないが、このウサギは綺麗らしい。俺をジッと見上げている。
    「困ったことがあればいつでも連絡しておいで」
    「はい。ありがとうございました」
    長年お世話になった先生の家を出て、新しい家へ向かう。森の少し奥、先月見つけた決して大きくはないけれど、先生の先生だと言うリリアさんに譲ってもらった家は、俺には十分な広さだった。
    「お?待っておったぞ」
    「ただいま」
    「して、呼び出したのはウサギか」
    「はい」
    促されて入った家にはすぐ生活出来るよう、全てが揃っていた。
    「食事が出来るように材料も全て入っておるからな、今日はゆっくり休むといいぞ」
    「ありがとうございます」
    興味津々でキョロキョロ、ウロウロするウサギを捕まえ、そう言えば自己紹介がまだだったなと。
    「俺はジャミルだ。よろしく」
    「オレ、カリム!見ての通りウサギだ。使い魔になってまだ3日だからいっぱい迷惑かけてしまうかも」
    つまり、見習い同士って事か。しかしよほどの事がない限り、争いごとは起こらない。
    この周辺はリリアさん率いる長寿と言われている妖精族の縄張りだからだ。
    ぐぅ~~
    「あ……」
    「いい音だな。何か作るよ。好き嫌いは?」
    「ないぜ!なぁ、料理、見ててもいいか?」
    「かまわないよ」
    フレンチトーストにサラダはクリームチーズを入れて、ポタージュとフルーツはオレンジにしよう。ヨーグルトを添えて。

    妖精族の縄張りにどうやって入ったかって?それはまだ俺が幼かった頃、この辺り一体で種族を超えた戦が起こった。ヒトである俺の父も駆り出され、邪険に出来ないからと妖精族の護衛についた。それが気に入らなかったのだろう村の長老に暗殺されてしまった。街へ出ていた俺は無事だったが、家にいた母と妹は殺されてしまった。為す術もなく、立ち尽くすしか出来なくて。それでも母と妹を埋葬しなければと思っていた。背後に誰かいる気配はもちろん知っていた。いっその事、そのまま一思いに殺ってくれと幼心に思った時、何かが横切り背後を殺った。
    『無事か、怪我は無いな』
    頭に角が生えたこの方を俺は知っている。父がお世話になった妖精族の王様。
    『マレウス、そちらは大丈夫か』
    『幼子に怪我はない』
    『ならよい。いくぞ』
    連れて来られた屋敷で手当を受け、シルバーと共に育てられた。立派な魔法使いになって、リリアさんやマレウス様に恩返しがしたいと言った俺に紹介してくれたのが、先生だった。

    「ま、こんな感じだ」
    「ジャミル……」
    小さな手で足元に抱きついてくるカリムはかわいい。だがしかし。
    「とりあえず、ご飯にしよう」
    「やったー!」
    ピョンピョンと跳ね喜ぶ姿はなんとも愛らしいが、しかしウサギは使い魔になるのか、俺のペットでいいような。
    「いただきます」
    ガッツいて食べる訳ではなく、ちゃんとフォークやお箸、スプーンを使い、食べ方も綺麗だ。どうやら育ちはいいらしい。

    オレたちウサギの獣人は使い魔になるべく育てられるんだ。魔法士のお手伝いが少しでも出来るように、疲れている時は癒せるように。
    ありがたいことに、オレの家系は血統が良かった。だから狙われることも多々あった。
    ヒトと同じように戦も起こる。当然、狙われた。両親は跡取りだったオレに逃げろと放した。小さな弟や妹が殺られていく様に、振り返ってる暇はなかった。
    必死に逃げたからここがどこだかは分からない。
    『くっそ足が速いな!でもそこまでだ!』
    あぁオレもここまでか、父ちゃんオレを逃がしてくれたのにごめんな……と目を閉じた時だった。
    『そこまでなのはアンタたちよ。人の領域をよくも荒らしてくれたわね。ルーク、頼んだわよ』
    『うぃ』
    ヴィルとルークに助けられた。ウサギなら使い魔でしょう、いつか召喚してくれる魔法士の為と、それは厳しく育ててもらった。
    親に教えてもらうはずだった食事の作法に学問、全て叩きこまれた。

    「お互いに苦労したな」
    「でもちゃんと育ててもらったから恩返しがしたいんだ」
    「それは俺も同じだよ」
    「ジャミルのご飯おいしいな!」
    「口に合って良かったよ」
    ところで、使い魔ってどうしたらいいのだろう。


    「ジャミルの下にいる限り、カリムは大丈夫そうね」
    「ここに2人がいる限り、しっかり守ってやるわい」
    「今一度、皆でゆっくり食事でもせんか?」
    「いいわね」

    とりあえず明日はリリアさんに頼んで買い出しに行ってみようか。
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