灰武オメガバぱろ導入部「なんだ、お前…オメガなんだ?」
背後から突然に公の場所で口にするのは憚られるようなことを言われた。
武道が驚きに振り向く間もなく大きな掌に顔を掴まれる。
後ろから抱き竦められて身体を強張らせると、一瞬うなじが総毛立った。
その後に、熱いものを押し付けられたような強烈な痛みが襲って来て、全身が痺れる。
指先まで、びりびりと熱が伝わり、うなじは燃えるように熱く熱くなった。
噛まれた。
身体の力は抜けて、その場に崩れ落ち、全身に広がった熱が身体の中心にも集まって来る。
「兄ちゃん!こんなとこで噛むなよ…」
「悪ぃ…すげぇ良い匂いで我慢できなかったわ」
「…兄ちゃん…ラトってね?!」
「りーんど…ホテル探して…後、タクシー」
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