甘い誘惑6(後日談)かちゃり、とオールマイトが俺の足に義足をはめる。すっかり慣れた手つきで金具をチェックし、これで大丈夫かな、と顔を上げて笑った。
大きな戦いがあった。
勝利はしたが、がらりと世界は変わった。一命をとりとめたオールマイトは、半年ほどはリハビリやら治療やらで病院から出られなかったが、治療が済んで、すっかり元気とは言わないまでも動けるようになった途端、あちこちを飛び回っていた。俺は片目と片足を失ったが、教師を続けさせてもらっている。オールマイトも、いまのところはまだ雄英に籍を置いているが、今後どうなるかは俺にはわからない。
昨日は、久しぶりにこっちに戻ってきたのでオールマイトのマンションで夜を共にして、そして、朝。俺もオールマイトも、これから出勤だ。昨日のオールマイトはヘロヘロで帰ってきたので、夜はたっぷりと甘やかした。おかげで今、オールマイトは頬をつやつやさせているし、俺も満たされている。義足の調子を確かめながら立ち上がり、かかとをトントンと鳴らした。
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