[お題タイトル置き場]後悔のぬいぐるみ
言い訳じみた一日
きらめく扉の鍵はなみだ
ラブレターの名手
いちばんは一番だから孤独
私のかわいい悪役代行
それ以上正しさに汚されないで
この愛は裏切りを認めない
僕の名前の輪郭を溶かして
ほどける目尻の甘さを舐める
涙のふちに触れる手のひら
祈りのかたちを真似してみても
空の青がわかる幸福を叫べ
オーロラの残骸
月の裏側みたいな痣(あざ)
やわらかい愛情だけを食べてきた
小指だけの魔法
君のあらゆる死をおそれる
救われるつもりはなかった
遠ざけるために繋ぐ手
心のみずうみにしかない朝
砕けるように咲く花もある
こちらの愛は贈答用になります
夏ごっこをしようよ
開かれぬその奥の瞬きを知るもの
こうして孤独はたまに優しい
あなたの瞳の海に住む
地獄にある花畑で待ってる
骨の髄の声
きみの記憶と眠る夜に
たゆたう牙のたどりつく私
あなたは死をもきらめかせる
初めて知った恋だから初恋
かすんでゆく喉の音
涙を見たなら生きのびやがれ
空腹には愛が効く
返事をさせてもくれない
生まれ直しても運命にならない
あなたの首筋は楽園
やさしすぎる凶器に守られて
尾のない風見鶏
君が朝日よりもまばゆいので
木枯らしと立ち話
君の指先まで輝く夜でいて
ちいさな牙と、その傷
寄り添う癖(くせ)
ふたりに誓いの鐘は鳴らない
有効期限切れの奇跡
「遠い日に」と君は言ったけれど
はてしなく遠くあるいつかの話
いただかれない私の情動
その背に燃ゆる炎を見た
そんなにさみしい指先を見せないで
この恋は美しい沼地
希死念慮のしっぽ
きみのあたたかさがわたしをひやす
いちばん同士はくっつかない
好きとか嫌いとかそれ以上の問題
北風注意報の約束
あなたお手製お得意のお手軽な地獄
生まれたての過去
作り置きの未来
とっておきの一番星
冬のつぼみ
流星と舞うきみの靴音
感情の生え変わり
やさしさの岸辺
ほころびの窓辺
よるべの夜
あなたの朝
わたしの概念を模った、きみの恋人
その笑顔が最高のごちそう
さよならをかき消して、夜
コップ一杯の口説き文句
月の満ち欠けと宇宙への道づれ
ただ息をするいのちがふたつ
溶けきらないはちみつみたいね
願うことだけでも許されたい
君が泣いてしまうような世界ならいっそ
無茶苦茶な歌声で愛を語る
きみの舌で火をつけて
食物連鎖の真似(マネ)事
羽休めにうってつけの日
まばゆいのは生まれつき
あの楽園のことをよく思い出す
ほどけた誘惑の先にあるもの
おまえの愛を噛みたい
Sensitive Sunshine
Negative Nightmare
dusk-to-dawn
君とレモンケーキが食べたかった
スプーンですくえない類いの感情
未練のフォークはまだ抜かないで
そんな結末はナイフで切り取ろう
夕陽のスパンコール
スーサイド・ララバイ
貴金属製の恋心
めでたしめでたし恐怖症
The Endless
魔法は使えるのに君は救えない
アンチロマンチックストーリー
過感傷(過感症)
望まれるハッピーエンドの裏側
お守りみたいに胸に抱いても、
耳たぶまで愛おしいだなんてね
私が正しく在れる場所
拝啓 新しい恋人様
祝福の鐘としての銃声
爪の隙間、消えない色
日の目を見ないので退色しません
鍵盤の上で指先がぶつかった日からずっと
暗闇の下で鼻先がふれあった日まできっと
干からびた愛の手ざわり
もう幸せにはなれない
胃の中の夢の国
夜空をはしから剥がしてしまおう
分かるつらさが分かるかい
花模様の溜め息
記憶は幼な子の手のかたちをしている
すべからくすべらかなすべて
左利きの恋愛理論
ではまた夕暮れがむらさき色の日に
文面にあなたが踊るので
宝石は繋いだ手の中にあったのに
大嫌いな数字
イコールの真似をしても同じにはなれない
何度も抱きしめ返してすり切れた思い出たち
てにはいらないもののはなし
とられたくないもののはなし
すてられなかったもののはなし
Never give me happy end.
花のような笑顔だから傷付く
ゆれる尾ひれは手招くその手
誉れ雨
みちみちて、かけるものすべて
なくしてうまれて、いきてわすれた
嗄れた手
宝物の屑
在るものねだり
ろくでなしといくじなしの話