ロイエの影には大体ミッタマが背後霊彼氏面してる 帝都オーディンの冬の昼下がりは、青白い光が街路に射し込みながらも、どこか冷え冷えとした静けさを纏っていた。
重厚な扉を背に、オスカー・フォン・ロイエンタールは元帥府を出る。軍服を脱ぎ、深い紺の外套に身を包んだ姿は、ただ昼食へ向かう私的な外出に過ぎぬはずだった。
だが、彼の存在は否応なく人の目を惹きつける。整った容貌と鋭い気配、そして何より——右の瞳は深い黒、左の瞳は透徹した青。相反する二色が同居するその双眸は、金銀妖艶と形容され、見る者に忘れ得ぬ印象を刻む。
昼食を軽く済ませるつもりで、大通りへ足を向けた矢先だった。
「ねえ、そこのあなた」
華やかな声に呼び止められる。振り返れば、二人の若い女性が立っていた。上品な服に身を包み、興味と下心を隠しきれぬ眼差しを彼へ注いでいる。
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