福さに「みっちゃんはいっつも格好良くて頼りになるし、実休さんは距離感近くてなに考えてるかわからないからドキドキしちゃうけど、福島さんはいつもお花の香りがするしなんか落ち着くんですよねー」
福島さんがお花を活けている隣に座って、彼の手元を眺めながら言う。
「花、好き?」
「はい。母がガーデニングが好きで、いつも花のある環境で育っていたんで」
「ははは、お母さんを思い出すってことか」
軽やかな笑い声に、気持ちが軽くなる。別にお母さん扱いしてるわけじゃないですよ、と言いながらちらっと見上げた横顔は、口元は笑んでいるけれども瞳は真剣な色を帯びていて。普段自分に向けられることのない視線にドキッとする。
「福島さんと一緒だと、落ち着くんです。懐かしいっていうか、やっぱり、お兄さんだからですかね? 安心します」
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