あくまでSSですので、伏線を張ったりとか登場人物の変化を描いたりとか…
そういったプロットを要するようなしっかりした作品には向いていません。
往年の合言葉「やまなしおちなしいみなし」の、さくさく量産できるSSをめざします。
【そのいち】
シチュエーションを決める
ここでいうシチュエーションとは、場面設定のことになります
誰が何をしている、ではなく、誰がどこにいる、の部分ですね
「(任意の自カプ文字列)が(任意の季節や時間)に(任意の場所)にいます!!!!!」を決めます
これはよほど特殊な場所じゃなければ何でもよいです
寝室、リビング、書斎、お風呂場、駅、街中……
実在の場所をモチーフにしたい場合は知識と整合性が求められるので資料集めの難易度と工数高めです
何をしている、どんなことが起こる、から考えようとするとちっともアイデアが浮かばず、
書いても途中で雲散霧消しがちです(個人の意見)
なので場所をしっかり固めるとこからはじめるのがおすすめ
※今回はお風呂場がメインになったSSをもとに話をすすめます
【そのに】
場所やアイテムへの脳内解像度を高める
お風呂場でいちゃいちゃするチェモが書きたい!となったので、
まずはグーグル先生の画像検索などを用いて、自分のイメージに合ういい感じの写真などを探します
陽キャがいそうな場所が舞台だとインスタもめっちゃつかいます
一枚ではなく、複数枚のイメージを混ぜることもできるので気楽に選びます
ついでに写真の中に描写したいけど名前がわからん……みたいなものがあればそれも調べておきます
そのあと、そのシチュエーションで使うであろうアイテムをまたしてもグーグルで検索します
今回はスポンジに洗顔フォーム、シャンプーなどを楽天で見繕いました
あとこれは場所次第ですが、イメージに合うASMRなんかもあると文章に音のイメージも足せるのでグッと書きやすくなります
シャンプーやマッサージのASMRを見繕いました えっちなやつではないです
また、この時に見つけたものについて、断片的でもよいのでそれぞれ文章に起こしておくとあとがとても楽です
【そのさん】
その場所に自カプをつっこむための理由をひねり出します
今回はお風呂でイチャイチャさせよう!と決まりました。単なる事後でもいいけどなんとなく別の理由がほしいな~と思い、チェさんにモさんの丸洗いをしてもらうことにしました
その過程で
①乾燥の強めな地域(これはあまり生かせなかった)
②チェが渡したクリームをモさんが使わなかった
という肉付けがうまれました これはなくてもいいけどあると書きやすくなります
この工程によって、1できめた場所で自カプがなにをする、というとこまでざっくり決まります
【そのよん】
喋り出し、書き出しをきめる
よーい、アクション!でカメラを回した時に最初に画面に映るカットを決めます セリフでもいいし、なにかアイテムを映してもいいと思います
「えっ?それは何?」と思わせるものだと読み手を引き込みやすいですが、あんまり奇を衒っても以降の文章が続かないので、とくに思い付かなければシンプルな描写のみにしておきます
今回はセリフからスタートです。
わざとえっちな雰囲気を匂わせて、チェがクリームを使わないモさんにちょっと怒っていたという真意を隠して、シナリオにちょこっとの意外性を足しました 嘘 たまたま偶然、いい感じの展開でそうなりました 思い付きで書いてます
意外性も、あってもなくてもいいです やおいSSなので
ついでにアクション!してからのキャラクターの具体的な動きなんかもざっと箇条書きでだしておくと
あとから書く手が止まりにくい気がします 書き出しても止まるときは止まるので気楽に
私は動きの描写を先にやった方が楽なのでこうしますが、これは好みなのでセリフ先動き後入れ派はセリフを書いてもいいかもしれません
【そのご】
ゴールを決める
これは最後に言わせるセリフでもいいし、話の落としどころでもいいです
もしくは、最後に彼らがしている体勢や構図などでもいいです
とにかく、いちばん最後に彼らがどんな様子でいるかを決めます
ハッピーエンド!みたいな漠然としたやつだと書きにくいので、一要素でも具体的に決めとくといいです
自カプがソファでだらだらしゃべっているだけのSSなら、最後にジュースを手に取るとか、そういう感じです
今回はお風呂を上がってベッドルームに移動して寝っ転がってもらうことにしました 暗転エンドです
【そのろく】(なくてもいい)
もし思いついたらエモ要素、エモ台詞なんかもいれておきます
ただこれにまともに取り組んじゃうと量産SSのハードルがめっちゃ上がっちゃうので、書き途中にエモが生えてきたらラッキー!くらいのきもちでいます
今回はたまたま「お風呂=お手入れ=自分をないがしろに…」という本編台詞にマジカルバナナできたので、せっかくなので突っ込みます 連想ゲーム力は万物に勝る
また、書きにくい!と思ったらどんなにエモいアイデアでも即座に捨てる豪胆さも、ときには必要となります
経験上、エモいけど書きにくい文章を捏ね続けるより、エモさはないけど書きやすい文章を打ち続けるほうが精神に良いです
【そのなな】
4できめたセリフをもとに本文をかきだします
台詞やそれにまつわる情景との間に、調べた写真や情報や彼らの動きなどを入れ込みながら、地の文の描写をしていきます
背景描写は遠景→中景→近景といれていくのが王道らしいのですがそんなむずかしいことはわかりません
一番最初に場所自体の描写を、以降は移動しないかぎりキャラクターが触れたもの、見たもの、そのごく近くだけを描写していくとうるさくなりすぎません これはまあ慣れと文体と好みで適切の値がちがうので好き勝手やります
6で決めていたエモ要素(あれば)を途中ねじこみつつ、5で決めたゴールに向かってキャラを動かします
私は心理描写の一貫性を保つことが苦手で、すぐあっちこっちにキャラの気持ちを動かしてしまうので、本当なら心理面でのルート取りもしたほうがよいのですが、毎回そんなめんどいことはやっていられません。
余程ひどい部分以外はノリと勢いで書き、見なかったことにします
【そのはち】
完成です! どうせ何億回読み返しても誤字脱字日本語崩壊を完全に消し去ることはできないので、
ざっと見返して投稿しちゃいましょう! 結局、誤字というものは投稿してから見返したほうがみつかりやすいです(真理)
【さいごに】
この書き方のよいところは、とにかく場所から決めちゃうので理由は後からついてくる点です
書きたいパッションはあれども何も思いつかない……みたいな状況に強いと思います
きっちりした心理描写やその代わり模様を描く話を書きたい!という方にはちょっと不向きなのですが……
逆に、しっかり書きたいものがあるパターンでも画像検索は背景描写の解像度を上げる一手として有用なのでおすすめです
意外とSSって簡単じゃん!て思ってもらえたらうれし~~~です
以上 簡単にSSが書けるような気がするtips おしまい