理解不能の恋「兄ちゃんさ、好きな人居るだろ」
「うぇ⁉︎」
弟の部屋に漫画を借りにきて、まさかそんなことを聞かれるとは思ってなかった。家族の誰にも話してなかったことだ。何か露骨な態度をしていたんだろうか?
「な、何で?」
「行動見てたらなんとなくわかる」
弟の視線が俺を捕えてる。うわぁ……。
「兄ちゃん、結構前からミスドの常連なのに家に持って帰ってこないし」
「ぐっ……!」
「家に戻ってくる時間も不規則だし」
「うぅっ」
「念入りに風呂入ってから出かけるし」
「ワーーーッ!」
俺は弟に土下座した。このことは親には内密に、と。何れ話さねばならないことだけど、今はちょっと、かなり、無理だ。
「……兄ちゃん、その人と結婚する気なの?」
1913