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    aka_no_sousaku

    @aka_no_sousaku

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    aka_no_sousaku

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    劉の過去の小説までいかないメモ書き。

    元の性格からネガティブで泣き虫。母が居ない事をよく虐められた。
    よく泣いて女々しい自分も大嫌いで、ディーラーの堂々とした格好良いお父さんに憧れて。
    あんな風になりたいと心の底から思っていた。

    母の話はよく聞いた。父は目を細めて僕にはしない顔を、写真に向ける。
    「ファンファン、お前の髪はこいつに良く似ている。」
    写真のなかで笑う母という人は三つ編みにしていた。

    「5歳になったら、1つ階段を登ろうか」

    5歳から父の元でカジノゲームについて教わる。
    この頃からトランプでの手品も始める。


    トランプで遊んで居た時に発現。7歳だった。
    羽根でトランプが持てなくなった事が悲しかった。手品が出来て、やっと自分を好きになれると思ったのに。ごめんなさいお父さん。こんなに何も出来ない僕を嫌わないで。

    父の部下の人には差別的視線を送られたものの、父は「その内、人に戻れる。強い子だから、またディーラーとして立てるぞ」「その為に学校に行くんだ」その顔は険しかった。

    その年の内に入学。
    入学以降も友達もろくに出来ず、幼馴染だけが良く遊んでくれた。
    大事にしなきゃ。俺なんかに仲良くしてくれる家族のようなものだ。

    ゲームについての勉強は続けていた。手品も大分上達した。何より自分が楽しかった。
    帰ったときに手品を父に見せたら「あぁ、今忙しいから後にしなさい。」とあしらわれた。

    泣きそうだったけど大丈夫。半端だったから褒めてくれなかったんだ。俺なんかが期待しちゃ駄目なんだ。手品より、ゲームを、もっと上手く回さないと。

    9歳でディーラーとしてテーブルに立つようになった。
    中々に優秀で徐々にイカサマにも対応出来るように。
    父は上手く出来たら褒めてくれる。特にイカサマを見つけた時は。
    イカサマをした相手は相談室に送られる。そういう決まりらしい。金の貸し借りの話をするんだと聞いた。
    父のような口調を真似してたら、自信を持ったような上っ面を作れるようになった。

    12歳でやっと少しディーラーとしてだけ自信を持てるようになる。
    客に怒鳴られるのも殴られるのも平気になってきた。上っ面のお陰だ。強くなった気で居た。
    イカサマをした奴を自分の手で相談室に連れていけるようになった。


    13歳、中等部へ
    一人称が僕から俺へと変わる。
    三つ編みも大分長くなってきて、父は「顔は俺似だな。あぁ、けど目元はあいつそっくりだ」と話す。
    さすがに違和感を感じる。俺なんかが見てもらえると思ってないけど、母は居ないよ。ねぇ、親父、俺を見てよ。


    14歳、父に呼ばれる。「お前は立派なディーラーになったな、洛煌。大人への階段を5歳で上がったろう?もう一段上がろうじゃないか」
    嬉しかった。頑張ったんだよ俺。

    入った場所は相談室。部屋の端に繋がれてるのは金を踏み倒そうとした輩。の、はずだった。
    「陳さん…?」
    常連の陳さん。小さい頃はよくゲームの練習相手になってくれていた。でもなぜ。
    「洛煌」「今からこいつを殺せ」「じゃないとお前の命が危ういぞ」
    後ろから父の言葉を聞き、銃を渡され洛煌は悟った。ここは相談なんてしない。処罰部屋、死刑台だと。

    輩の縄が切られ、襲い掛かられる。相手が持っていたナイフで顔を切られるも組み敷きマウントを取る。「なんで?なんで陳さん」
    「小洛、だろ?クソガキの頃面倒見てたじゃねぇか」「なぁ、小洛」

    「お前のせいだ」

    「なんで、おれの…っ?」
    「自分なんかがって逃げ続けてたんだろうが!小鳥みてぇに今も逃げろよ小洛!!!」


    銃声の残響も静かになった部屋で、乾いた1つの拍手。
    「良くやった、洛煌。さすが私の息子だ」
    「さっき、おれのせいって…」
    「こいつは敵方の情報屋だよ、うちの情報を漏らしてやがった。
    粗方、お前が気に入ってた分の当て付けだろうな」
    「…………」
    「大人の階段、登れたなぁ小洛?
    これでお前もこの家の人柱だ」



    自分で傷の手当てをして、部屋に戻る。
    手品をする気にもなれなかった。
    優しい父だと思ってた。洛煌は愛されてると思ってた。俺なんかが愛されるわけがなかった。なぜ期待した?自分の浅はかさが恥ずかしい。
    道具としてしか見られていなかった。その為の賛辞で、笑顔で、言葉だった。
    悲しかった。その日は朝まで涙が止まらなかった。


    次の日からディーラーと処罰人を請け負った。というより父からの言い付けである。
    金を巻き上げる、そいつが破産する、逃げ出す、捕まえる、痛め付ける、殺す。
    それを父の部下に教わりながら、道具として行動した。

    凄み、殴り、痛め付け、殺す。

    もう褒めてもらおうだなんて思わない。
    次に褒められたら、また大事な何かが死ぬ気がした。



    少し過ぎて学校に戻り、幼馴染と挨拶を交わす。
    「小洛」
    その無邪気な呼び方に吐き気がし、口を押さえる。
    人殺しにそんな声で呼ばないでくれ。
    「…それで呼ぶな。俺はもうそんな年じゃない」


    素手では私物以外何も触れなくなった。フラッシュバックするのだ。あのときの。自ら手を汚したあの光景が。
    友人にも、本にも、髪にも、なにもかも。

    手袋をつければ幾分か気が楽になった。
    外に居るときは必要不可欠のものなっていた。
    けど、同じ家業でない人間には触れない。人を殺した同じ者ならあるいは。いや、どっちにしろ俺なんかが触るなんて。
    それ以上、汚して良いわけがない。


    15歳、幼馴染の様子が変わった。
    楽観的でへらへらとしたいつもの様子だったが、ひどく辛そうだった。撫でてやりたかった。彼女が楽になるのならなんでもしてやりたかった。

    「小洛」「抱っこして」
    「ごめん」「…俺には出来ないよ小一」
    手を伸ばして、躊躇った。
    逃げた。ごめん。君が辛いときに何も出来なくて。


    16歳、高等部へ
    威圧感が増したらしい。
    性格もネガティブで泣き虫なことはバレなくなっていた。
    たまに知ってるやつがいるけど、それは幼馴染の仕業だろう。

    学内でもディーラーとして必要としてくる奴がいる。
    賭けの有無問わず、ゲーム制限はカジノと同じ。
    こっちの方が居心地が良い。なんせ相談室が無いから。

    「ようこそ、カジノ黒鶴(ホイホー)へ。お望みのゲームは?」

    少しでも、誰かがこの場を必要としてくれると願って。




    捕捉:母は父本人が殺した。
    家の悪しき伝統による「息子を産んだら殺す。それで男は頭領になり一人前と認められる」こと。
    洛煌はそれを知らない。
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    aka_no_sousaku

    MEMOワイアット・ローガン過去まとめ
    読みにくかったら申し訳ない
    人間しかいない4人家族の末っ子。10歳差の兄をもって生まれる。
    兄からは「知らねぇ親の子」と思われてたが、しっかり血は繋がっている。
    両親は至って普通に息子として育ててくれた為、非常に健康的に育つ。はずだった。

    父は土方の中堅、母は大学の食堂に勤めている。
    父にはよく仕事場に連れていかれ、そこの足場で遊んでいたら運動能力を身につけた。母は元不良だったが更正した。今でも信条は変わらず「やられる前にやれ精神」を大事にしている。
    兄の素行不良には両親共に身に覚えがあるため最初は黙っていたものの、途中から本気で喧嘩をするようになっていた。
    ワイアットはまだ兄が好きだった。自分の道を生きる背中を尊敬していたのだ。


    8歳になる頃、ワイアットを邪険に思うようになった兄に、ヤンキーの溜まり場やクラブに連れてかれた。
    兄は男共にワイアットを預け、1人喧騒に紛れた。

    そこで知り合った男は、幸いそこまで酷くはなかった。
    喧嘩っ早い性格故に護身術は大事だろうと喧嘩のやり方を教えてくれた。
    煙草や酒は20歳になったらやれよという割に味見だけさせてくれた。全部噎せたけど。
    バイクは格好良いというと自慢げに 2487

    aka_no_sousaku

    MEMO劉の過去の小説までいかないメモ書き。元の性格からネガティブで泣き虫。母が居ない事をよく虐められた。
    よく泣いて女々しい自分も大嫌いで、ディーラーの堂々とした格好良いお父さんに憧れて。
    あんな風になりたいと心の底から思っていた。

    母の話はよく聞いた。父は目を細めて僕にはしない顔を、写真に向ける。
    「ファンファン、お前の髪はこいつに良く似ている。」
    写真のなかで笑う母という人は三つ編みにしていた。

    「5歳になったら、1つ階段を登ろうか」

    5歳から父の元でカジノゲームについて教わる。
    この頃からトランプでの手品も始める。


    トランプで遊んで居た時に発現。7歳だった。
    羽根でトランプが持てなくなった事が悲しかった。手品が出来て、やっと自分を好きになれると思ったのに。ごめんなさいお父さん。こんなに何も出来ない僕を嫌わないで。

    父の部下の人には差別的視線を送られたものの、父は「その内、人に戻れる。強い子だから、またディーラーとして立てるぞ」「その為に学校に行くんだ」その顔は険しかった。

    その年の内に入学。
    入学以降も友達もろくに出来ず、幼馴染だけが良く遊んでくれた。
    大事にしなきゃ。俺なんかに仲良くしてくれる家族のような 2678

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