玲王誕 高二の春に玲王と出逢ってから、玲王の誕生日を二人で過ごすのは凪にとって当たり前のことになっていた。
だからその投稿を見た時、ようやく凪は自分の勘違いに気がついたのだ。
玲王のそばに居ることは当たり前でもなんでもない、玲王自身が与えてくれていた特権だったのだと。
『千切と國神と一緒に縄文杉! 往復十二時間の登山はいいトレーニングになったな!』
樹齢七千二百年ともいわれる世界自然遺産をバックに満面の笑みを浮かべる凪のパートナー。両隣をお嬢ときんに君に挟まれて、なんとも楽しそうな表情だこと。
これが他の人間、例えば潔とかだったなら凪も文句を言えたけれど、ライバルリーの時に玲王の傍に居てくれた二人には強く出られない。二人が玲王にとって大切な友人であることをよくよく知っているからだ。
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