君は特別、僕も特別『せっかく作ったから、もう一枚あげる』
いつもよりのんびりとした朝。ブラッドリーはフライ返しにのせたパンケーキを、もう十分に焼き立てが積み重なった僕の皿に追加した。柔らかいパンケーキに背徳感ある黄金色のシロップが流れ、真っ白な湯気は向こう側のマグカップの縁を曇らせた。
『マーヴには特別ね』
そう言って笑う彼は、パンケーキの甘い香りがした。
『マーヴ、次何飲む?』
任務後の久々の集まりでも、 ブラッドリーは僕の隣を陣取り、僕の肩に腕を回す。騒がしいバーの中でも一際賑やかなテーブルで、彼は静かに囁く。目の前のボトルのラベルを読み顔を上げると、彼は小さく頷きカウンターへと消えた。
2本のボトルを手に戻ったブラッドリーに、優秀で調子の良い若者たちが声をあげ始める。俺も私もと、一斉に彼に注文を始める光景の賑やかさが喜ばしい。
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