あなたみたいな白い彼岸花題名詐欺とキャプション詐欺です。監禁(多分未遂)です。
ぬりかべが、抜け出せなくなった
救い主がそれを知ったのは、滝夜叉姫の用事の手伝いを終えた後だった。
声の主は、イヅナだった。走ってきたのか、肩で息をしており、嗚咽も混じっていた。
ぬりかべは、陰の気を取り込みああなった。正しく二重人格のような性格であった。あの姿になっても戻れるので、抜け出せないなど、そんなことは信じられなかった
『あまり、ぬりかべの部屋には入らないでください』
そう言った後に、イヅナは去っていった。彼女の姿と影がなくなると、救い主はふぅ、とため息をついた。変わったぬりかべ。初めはそれはそれはみんなしてびっくりしたが、今となればもう慣れっこだ。ぬりかべだって、なんとなくは慣れている、とそう思いたかった。
なぜ抜け出せない?どうして?と、頭の中に疑問が過ぎる。だが時間が解決してくれるだろう、と救い主は呑気に思っていた。それが、みんなを巻き込みかなり面倒なことになるとは思ってもいなかったのである
「ん?救い主、どこ行くんだ?」
「あぁ、口裂け女のところに行くんだ」
「劇場見に行くのか〜。俺もついて行っていいか?」
「うん、全然いいよ」
「よっしゃー!」
そして呑気に子泣きと口裂け女の劇を見に行っていた
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ふわり、ふわりと吹く風に救い主の髪が揺れる。劇を見て夜叉の國に帰った後、子泣きは滝夜叉姫に駆り出され、出入口であろう場所で別れた。のっぺらぼうは相変わらず姫の近くにおり、イヅナは妖狐の國でぬりかべの用事を代わりに済ませているそうだ。
屋敷に入っても、特にやることはない。そこで救い主は涼しいすきま風が入り、景色もいい場所(教えてくれたのは猩猩先生)で夕方くらいまでいることにいた。今の時間は多分午後の4時くらいだろう。
「あ、もうすぐ夕方だ。そろそろ戻らないと」
座っていたところから立ち、戻ろうとする。しかし、彼は後ろにいた陰の気を纏う少女に気が付かなかった
「だめ、もどらないで」
「……え?」
_______それ以降の、救い主の記憶はない
目が覚めたのは、数時間後のことだった。
「んん……?俺何してたんだ?」
かしゃり
「んんんんん?????」
大きな音が手首から響いたので見てみると、枷がかけられており、扉に乱雑という言葉が似合うくらい適当に縛ってあった。
辺りを見ると、光が一切入っておらず、ぼぅと月明かりのように光る行灯だけが頼りだった
「え、え?どういうこと?これ……」
「やっとだよ、救い主さま」
「……え?」
声の主を見るために後ろを振り向く。するとそこにはぬりかべがいた。本当に戻っていなかった(呑気)
「ぬりかべ!?な、なんで」
「なんで、じゃないよ。救い主さま、私のこと見てくれないじゃない」
「え?」
す、とぬりかべの子供のような小さな手が救い主の頬を包む。普段のぬりかべの手は暖かいが、この時は冷え症並に冷えていた。マジで
ぐるぐると頭の中が回る。なんで?ぬりかべが?
「何も、考えないで。」
「ぬりかべ、んっ……!?」
思考回路から解放されるや否や、ぬりかべに接吻をされた。更には喋っている途中にされたので、ぬりかべの子供じみた舌も入ってきた。
「ん、ふぁ、ぁッ……んんっ」
くちゅくちゅと2人の唾液が絡む音が、何も無い部屋に響く。初めての接吻がこんなのなんて!とは思うが、同時に気持ちいいとも思う救い主もいた。
するり
「……!?」
「暴れないで」
接吻に夢中になっている(ぬりかべがそうした)救い主の服を、ぬりかべが脱がしていく。少しずつだし、なんなら拘束されているので、救い主は手を出すことすらできなかった
「ようやく、1つになれるよ……」
2人の間に、銀色の線が引かれる。それと同時に___
「「救い主さまー!!!/救い主!!!!??」」
ドタドタと走ってくる音と共に、勢いよく部屋の扉が開かれた。その2人……イヅナと子泣きは焦りながら駆け寄った
それと同時刻、しゅ、という音と同時にぬりかべが元に戻っていく
その彼女が見たものとは_____
服がぐちゃぐちゃになっており、顔が蕩けている救い主、大号泣しながら救い主に抱きつく子泣き、あわあわとぬりかべに駆け寄るイヅナ
特に救い主に関しては純粋無垢なぬりかべにとっては情報量が多かった。
「え、えええええー!?!?」
後々監禁しかけたことを何故か思い出し、救い主に土下座するぬりかべが居たとか
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