命望 〆の部分だけ 命視点望の手が私の背中に回ってきた。そのままぎゅう、としがみつくようにして身体を寄せてくる。
「幸せすぎて怖いです。夢みたいで……」
「……ああ、そうだな」
抱き締め返すと、望の体温を感じることが出来た。心音が聞こえてきそうなくらい密着している。
「このまま死んでしまいたいぐらいに、幸せだ」
いつか来る終わりのことを思うと胸が痛くなる。
望は一瞬目を見開く。そして、ふわりとした笑みを浮かべ、私を見つめてきた。
「兄さんらしくありませんよ、そんな発言」
「それぐらいお前の事が好きってことだよ」
私達の関係に、ハッピーエンドなんて無い。ただ、今この瞬間だけは、幸せに浸っていたかった。
終わり