キリエ・エレイソン「ん…」
目が覚めると、そこは自宅でもオフィスでも無い、知らない所だった。
ここはどこだ?そもそも私はなぜこんな所で寝ているんだ?
寝る前の記憶が定かではない。思い出そうとするとズキズキと頭痛がする。
『おはようございます、維さん。…と言っても今は午後なんですが』
「……朧?ここはどこなんだ?」
『ここは病院です。……維さん、どこまで覚えてます?』
「それが、っ…思い出そうとすると頭痛が…」
『……そうですか。じゃあ簡単に説明をしますね。三日前、ヴィランの群勢が街を襲撃、ヒーロー総動員、公安職員も総出で止めました。ヴィランは全員制圧済み。被害は、廃墟になった高層ビル一棟が瓦礫に変わったくらいで、そんなに大事にはなってないです。人的被害は…ビルが崩壊する時に巻き込まれそうになった一般人をなんとか救い、その後三日間寝ていたヒーローが一人』
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