目隠しぺしってする話会えない期間が長くなるのはいつものことで、それこそ海外任務が立て続けば数か月に及ぶ時もある。
離れている期間が予め分かっているのならまだいい。
辛いのは想定外に会えない日々が続いた時だ。
まるで誰かが意地の悪い悪戯でも仕掛けているのではないかと疑いたくなる程、互いの予定がすれ違うことがある。
例えば先週、五条は珍しく数日東京都内での任務が続いたというのに、伊地知は関西と九州に出張に出ていた。
その前の週は真逆で、五条は日本中を、伊地知は高専にほぼ缶詰め状態だった。
急な海外任務と合わせて今日で丁度一か月、伊地知に会えていない。
「はぁぁ」
数日ぶりの高専敷地内をたらたらと歩いていると、頭の中で知らずに会えずに過ごした日々を数えてしまい、一か月と改めて言葉にしてしまうと、その長さに溜息が零れる。
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