この本丸には、この本丸には顕現された刀剣男士が少なかった。
短刀1振、打刀2振。
打刀のうち一振りは初期刀である。
そのため、審神者自身が鍛刀して励起までした刀剣男士は、実質2振しかいないとても小規模な本丸であった。
実をいうと、ここの主が審神者として配属されたばかりの頃は初期刀しか来なかった。
何度も鍛刀を試みるも、励起されるのは初期刀ばかりで、かの刀剣の乱舞能力の跳ね上がりっぷりは凄まじかった。
"もしや自分の刀しか来ないのでは?"
と、初期刀である加州清光は、目の前で積み上げられていく自身の刀の山をみて、ほんのりと満たされる独占欲と、漠然とした不安で胸がいっぱいになった。
就任2日目以降も、本丸の主は熱心に鍛刀していた。
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