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    fuji

    成人済み腐女子。特に記載がなければバック・アロウのレッカ寄りの落書き置いてます。
    気力が尽きるまでしゅうびへの愛を書き殴ります

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    fuji

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    もう続き描かないので、あらすじだけ置いときます

    人魚ネタ後半多分カイは次の戦争で死ぬことになるのだろうけど、それまではそばにいようと決めたシュウ。
    金魚はシュウの鱗が全部剥がれたらもう水には帰れなくなるからつまらないことをしてないでとっとと帰ってこいというが聞く耳もたない。

    痛む足を引きずりながら、それでも笑顔でカイの部屋に通って酒を酌み交わしながらの会話を楽しむシュウだが、ふと「僕も戦争についていこうかな、記録係くらいならできるし」と言ったところ、記録を書き留めるくらい文官でなくてもできる、足手まといになるだけだから来るなと一笑に付されてしまう。
    ちょっとモヤモヤしてしまうシュウ。

    戦地へ出発する日があと数日に迫ったところで、しばしの別れを惜しむように庭園で穏やかな時間を過ごすカイとシュウ。
    話の流れでカイの初恋の話になる。
    相手は夢で会った金魚の恩返しに来たという不思議な人物で、そういえばおまえはその人に似ている、と無邪気に話すカイ。
    「僕がその人に似ているのじゃなくて、順番的にその人が僕に似ているんだよ」
    などと突っ込んでみるシュウだが、内心は荒れまくっていた。
    カイが自分のことを好いていてくれたことを知ってしまったシュウは、何がなんでもカイを死なせたくなくなる。
    カイの命が尽きるのを静かに見守ろうと思っていたのに、そうなるはずの運命を変えたくなっている。
    水妖としての持てる全ての力を使ってもレッカを戦争で勝たせたい、カイを守りたい。
    やはり戦争にはついていくべきなのだ…ともう一度カイにそう話してみるが拒絶される。
    では直接陛下にお願いしに行く、と言ったシュウを「文官ふぜいの言葉を陛下が聞くものか」と切り捨てるカイ。
    大事な友人と思いながらも、戦いもしない文官を格下と見下していた自分に動揺するカイと、大切にしてくれながらも同等には見てもらっていないのだと傷つくシュウ。
    気まずい思いをしながら各々の仕事へと戻っていくのだった。

    その夜、シュウは凱帝の元へと訪れる。
    陛下から手を回して、カイを前線に送らないようにしてもらうためである。
    「あの時の水妖か。もう指は生えそろったのか?」
    ニヤリと笑う凱帝。
    シュウの右手だったか左手だったか描いた私ももう忘れたけどとりあえずどっちかの小指!は、以前シュウがカイが奴隷から脱却するチャンスをもらうために陛下に差し出したのだった。
    陛下はその指を食った。年を経た水妖の肉は不老長寿の妙薬という都市伝説があるため。
    また願い事があるなら聞いてやるけど今度はおまえの肝をくれと言われて怯むシュウ。
    あやかし以上に怪物じみた、もしかしたら水の世界の自分達の知らない陸上のもののけかもしれない凱帝に肝などくれてやって、その後きちんと約束が守られるとは限らない。
    躊躇するシュウに陛下は一本の短剣を差し出す。
    これでカイが眠っているところを、両手両足の腱を切ってみせろ、そうしたらカイは武人としてもう役に立たないので戦争には連れて行かないし、田舎に土地でもくれてやるからそこで細々と生きるがいい、上手にやって儂を楽しませてみよ、と陛下は笑うのだった。

    凱帝の部屋からカイのいる棟まで、きらきらと光る鱗がぽつりぽつりとシュウの歩いた廊下に道標のように落ちている。
    後どのくらい残っているだろうか、鱗が全部落ちる前に終わらせないといけない。
    短剣を握りしめ、眠るカイの前に立つシュウ。
    10年ずっと見守ってきた、愛しく思う男を生かすため——迷いを振り切って決行しようとするところ、カイが寝言を発した。

    それは昼間シュウに吐いた暴言を悔やむ言葉だった。
    それでも、自分は武人であるかとが己の矜持であるし、そのようにしか生きられないのだと。

    手足の自由を奪えばカイは長生きできるのだろうが、それをカイは喜んだりしないだろう。戦えなくなった自分を呪いながら残りの人生を生きるのはどれだけ辛いことだろう。
    やはりできない、と、短剣を取り落とすシュウ。

    シュウがそれをできないなら、と、水差しから顔を出した金魚が言う。
    仲間も呼んで力を借りよう、その男を水の中に引き摺り込んで、大きな泡の中で飼ってやろう。
    いい餌を与えて、寿命が来るまで大事にしてやろう。

    一瞬、水の中の一つの泡に捕らわれてどこにも行かないカイを愛しむ自分を想像して甘美なものが胸を横切るシュウだったが、「違う」と首を振るのだった。

    そうじゃない、明るい太陽の下で朗らかに笑うこの男が好きだった。
    そんな笑顔をずっと見ていたかった。
    手足を奪うのも、水の中で飼い殺しにするのも、カイは望まないし自分も違うと思う。
    けれど、この男は戦争に行くときっと死んでしまうのだ。

    じゃあどうするんだよ、鱗が全部落ちたら帰れなくなるだろ、あと何枚残ってるんだよ、と泣く金魚の声を聞きながら、シュウは眠るカイに縋って悲しそうな顔をするのだった。

    おしまい!


    後日談。

    戦争は負けるし(陛下は生きてる。そのうちまた気が向いたら国を作るつもり)カイは死ぬし、しゅうびは鱗が全部剥げて、水のものとも陸のものともつかぬ生き物となって世界を彷徨います。

    あえて昔の眷属を避けるように水の少ない砂漠なんかをふらついてみたり。
    そのうち1人の少年がシュウを迎えにくる。
    「約束したろ。俺はシュウをお嫁さんにするって。俺、頑張って滝を昇ったんだ」
    金魚は金魚という魚じゃなくて、鯉の稚魚だったんでありますことよ。
    そして龍になりました。
    「カイ…死んじゃったよ…生きてて欲しかったけど、でもこれでよかったんだよね」
    って、陸に上がって初めて涙をボロボロこぼすしゅうび。
    少年(ビットくん)の胸に顔を埋めて泣くも、「涙拭くとこないじゃん…優しくない服着てるね」とか減らず口叩いちゃうしゅうび。
    それでも懐かしい金魚に再会して、もう1人じゃないってことにホッとしてすごいいい笑顔見せたり。

    そしてビットくんは龍の姿になってしゅうびを背に乗せ、どこかへ飛んでいき、その後2人の姿を見た人はおらんということじゃ。
    どっとはらい。
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