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    GON_Takesi

    千ヴォル信者のゴンタケシ→@GON_Takesi

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    GON_Takesi

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    もし前哨戦をヴォルグが現地観戦してたら。

    激闘の末、勝利を得た千堂だったが、右拳が砕けてしまい、脳にもかなりのダメージを受けた。
    現地で試合を見届けたヴォルグは、千堂が入院したことを聞き、そのまま病院へ直行した。

    千堂はベッドに横たわり、目を閉じ規則正しい呼吸をしている。
    「…千堂。」
    眠る千堂の顔を、心配そうに見つめるヴォルグ。
    ベッドの横にある丸椅子に座り、包帯が巻かれた千堂の右手に、そっと手を重ねる。
    ふと視線を感じ、彼の顔の方へ目を向けると、千堂がこちらを見ていた。
    「、、、?なんや、その顔は。」
    ふっ、と千堂は小さく笑う。
    「っ!千堂…起こしました、スミマセン。」
    ぱっと手を離す。
    「かまへんよ。つーか、寝てへん。」
    「え?」
    ゆっくりと右手をヴォルグの顔の前へ持ち上げる。
    「ほれ、拳砕けたんや。痛とうて寝れへんのや。」
    「クダケタ。」
    「あ…骨がばらばらなったっちゅーことや、分かるか??」
    「はい。分かります、どのくらい痛いかは分からないケド。」
    そう言われ、軽く手を閉じようとしたが、手を動かしたことで痛みが走り、顔を歪める。
    「うっ…、手動かすのは当分ムリなのは確かやな。」
    動かしてはならないというように、ヴォルグは首を横に振る。
    「…試合凄かったデス。だから、骨折れる仕方ナイ。」
    「あぁ、覚悟してたことや。チャンピオンまでもう少しやったのに、ホンマ残念や。」
    拳が治るまで、試合はできない。
    チャンプにはチャンプの都合があるので、ベルトに挑戦することができなくなるかもしれない。と、肩を落とし顔を背ける。
    ヴォルグが千堂の拳をとる。
    「ボクと戦った時に比べたら、とても強くて大きな手になりましたネ。」
    「…。」
    もぞもぞと寝返りを打ち、ヴォルグの方へ身体を向ける。
    「さっきの試合、ずっと千堂の姿見てマシた。ドウしたらキミの猛攻を止められるだろうカ、ボクのパンチはキミに効くのカ、考えてまシタ。」
    ヴォルグは、千堂と戦ったときのことを思い出し、真剣な眼差しで千堂を見た。
    「…わいの言葉、覚えててくれてたんか。」
    「ハイ。ずっと戦いたい思ってまシタ。」
    大きく頷き、ニコリと微笑む。
    「せやけど、階級変えてもうたやん。もうムリな話やで?」
    「…千堂がチャンピオンなって、階級を上げればイイです。ボクずっとベルト持って、千堂が来るの待ってます。」
    「…アホか!何年かかる思ってんねん!」
    ヴォルグの提案に驚き、身体を起こそうとして痛みが走る。
    「アホですか。…階級上げたのは謝ります、ゴメンナサイ。」
    「謝るなや。わいも、ベルト預かっとく抜かしたくせして、結局手放してもうたし、階級うんぬんの問題やあらへん。」
    ヴォルグが自分との再戦を覚えていてくれた。
    そして、自分の試合を観て、再戦に向けて考えを巡らしていたことに千堂は涙ぐんだ。
    「あっ、千堂痛い?ゴメンね、手離しま」
    「ちゃう!痛ない、離さんでええから。」
    痛みを無視し、ヴォルグの手を強く握り返す。
    「デモ、泣いてるヨ。」
    「嬉しいんよ。わいはてっきり、キサマはわいとの再戦なんぞ、とうの昔に忘れてしもた思ってたさかい。」
    「忘れてナイよ!忘れるわけナイです!!」
    「…ヴォルグ?」
    ヴォルグは、身体を前のめりにしながら話す。
    「キミとの試合、今も思い出せマス。キミとマクノウチとの試合は、ボクにとって忘れられない大事な思い出です。」
    「わいもや。キサマのパンチを受けた感触、今も思い出せるわ。ま、今はもっとゴツいパンチなってるやろうけどな。」
    「…千堂もネ。」
    少し沈黙の後、
    「わかった!わい、チャンピオンなって階級上げるわ。そんでキサマともう一度戦う。それまで絶対ボクシング辞めへん!」
    ニカッと笑顔を向ける。
    「…ホントですか?」
    「おう!約束や。せやから、キサマも辞めんといてな?」
    「もちろんデス!辞めません。絶対に。約束シマス。」
    その言葉を聞き、千堂は左手の小指を立てる。
    「指切りげんまんしとかなアカンな!」
    「?」
    「なんや、知らんのか?小指立ててみぃ」
    「こうですか?」
    「せや。したら、こうや」
    そういうと、ヴォルグの指に自分の指を絡める。
    「指切りげんまん、嘘ついたらスマッシュ100発かましたる、指切った!っと、コレで完了や。」
    「スマッシュ100発!?コレは絶対に破れないですネ。」
    と、苦笑いをする。
    「せやろ!…絶対破るなよ?」
    いつになく真剣にヴォルグを見つめる。
    その視線にヴォルグは姿勢を正す。
    「はい。破りません。じゃあ、千堂が破ったらホワイトファング100回しますね」
    そうでないと不公平ですカラ。と首を傾けながら千堂に言う。
    「おい!わいだけ200発殴られるやんけ!」
    「あ…」
    「ま、ええわ!破らんから、別に何発でも。な?」
    「…はい!」
    見合って笑い合う
    「そうや、一緒にわいんち来て看病してくれや」
    「えぇ??大阪に行くンですか?」
    「ええやん!キサマも道連れやで!!」
    「困りますヨ…」
    と、千堂の提案に困ったように答えるが、後日無理を言って、大阪へ共に戻っていくのであった。
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    GON_Takesi

    DONEもし前哨戦をヴォルグが現地観戦してたら。激闘の末、勝利を得た千堂だったが、右拳が砕けてしまい、脳にもかなりのダメージを受けた。
    現地で試合を見届けたヴォルグは、千堂が入院したことを聞き、そのまま病院へ直行した。

    千堂はベッドに横たわり、目を閉じ規則正しい呼吸をしている。
    「…千堂。」
    眠る千堂の顔を、心配そうに見つめるヴォルグ。
    ベッドの横にある丸椅子に座り、包帯が巻かれた千堂の右手に、そっと手を重ねる。
    ふと視線を感じ、彼の顔の方へ目を向けると、千堂がこちらを見ていた。
    「、、、?なんや、その顔は。」
    ふっ、と千堂は小さく笑う。
    「っ!千堂…起こしました、スミマセン。」
    ぱっと手を離す。
    「かまへんよ。つーか、寝てへん。」
    「え?」
    ゆっくりと右手をヴォルグの顔の前へ持ち上げる。
    「ほれ、拳砕けたんや。痛とうて寝れへんのや。」
    「クダケタ。」
    「あ…骨がばらばらなったっちゅーことや、分かるか??」
    「はい。分かります、どのくらい痛いかは分からないケド。」
    そう言われ、軽く手を閉じようとしたが、手を動かしたことで痛みが走り、顔を歪める。
    「うっ…、手動かすのは当分ムリなのは確かやな。」
    動かしてはならないというように、ヴォ 2091

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