自家受粉 問題は山積みだった。まずはなにより、シャワーを浴びた方が良いと判断した。
要は、とカイは考える。要は、酔っぱらっていたのだ。日頃の疲れをバーで癒していたにすぎない。そこはこぢんまりとしたバーで、半地下にあって、すこし籠った香りがする。いつもは古いウイスキーを頼むのだが、昨日はビールで喉をうるおしていた。
常連客は自分の他おらず、なかば眠気にすら襲われていた時、レッカはやってきた。まるでここにカイがいることを知っているかのように、当たり前に隣の席に座り、同じモンを、と頼んだ。レッカがビールを飲めるだなんて意外だった。その前に、どうしてここに来たのかを問うた方がいいことに気付く。酔った頭はなかなかうまくまわらない。
2557